中国の利上げがなかったことを好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月02日 17時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 決算動向への反応はまちまちとなっていますが、米国株が大幅高となったことやエジプト騒乱の拡大懸念が薄れたことから、大幅高となりました。円高懸念やエジプト懸念、中国の利上げ懸念などからオプションの売買も多かったことで、そのためのヘッジなどから先物のまとまった買いも見られ、指数を押し上げる要因となったのかもしれません。米国景気の回復がはっきりとしたことで買い安心感もあるのでしょうが、米国の影響を受け難い銘柄まで買われたところを見ると目先の需給要因で指数を押し上げた面も強いと思います。

 決算発表に一喜一憂する展開となっていますが、好決算を発表したにもかかわらず売られるものや芳しくない決算を発表しながら買われて見たり、さまざまな反応となっています。特に取引時間中に発表されたものやアナリストなどの投資判断の変更などがあった銘柄が素直な反応となったり、そうでない反対の反応になったりと右往左往している感じです。決算に対する評価が実際の数字が良いとか悪いとか言うレベルではなく、株価の反応で決算が良かったのか悪かったのかを判断しているような面もあるような気がします。

 好決算を発表した銘柄が市場の予想よりも良い決算を発表しても、たまたま好決算を期待して買っていた向きが利益を確定するためにまとまった売りを出し、そのまとまった売りを見て「まとまった売りが出るくらいだから、決算は良くなかった」と判断したとすれば更に慌てた売りが出てくることになります。その結果、その企業の決算は良くなかったと更に疑心暗鬼になって買い向かえず、株価はどんどん下がってしまうと言うことなのだと思います。

 逆の場合も同じで、「決算発表まで」と言うことで、決算の結果にかかわらず空売りをしていた向きが、決算発表が行われたことで、決算の結果に関わらず買戻しをしたとしたら、芳しくない決算でも買われることになって来るのでしょう。全てがそうだということでもなく、実際に既に株価に織り込まれていたことなどもあるのでしょうが、結局は目先の動きに乗るのであればそれはそれで割り切って乗り、割り切れないのであれば、「だまされた」と言う前に、決算の発表をしっかりと分析して、割安なのか割高なのかを判断するようにした方が良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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