コラム
» 2011年01月27日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:店名も商品名も消えた――スターバックスがロゴを変える意図 (1/3)

新年早々、スターバックスがロゴの変更をすると発表した。「スターバックス」という店名も「コーヒー」という商品名も取り除き、真ん中の人魚「サイレン」だけを残す大胆な決断。発表するや否や否定意見があふれたが、そのウラにはスターバックスの経営上のロジカルな選択があった。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷好文(ごうよしふみ)

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。他の連載は印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」、メルマガ「ビジスパ」で「ことばのデザイナーのマーケティングレシピ」。中小企業診断士。アンサー・コンサルティングLLPパートナー。ブログ「マーケティング・ブレイン」(コンサル業)、「cotoba」(執筆業)。Twitterアカウントは@Yoshifumi_Go


 スターバックスがロゴを変える。

 新年早々、1月5日付のニュース。無線LANが使えるスタバでニュースを読んだ人もいるだろうか。ロゴはどう変わるのか? ひと言でいえば「スタバが消え、コーヒーも消える」。真ん中の“サイレン(セイレーン)”と呼ばれる人魚だけになり、それもでっかくなる。

ah_5a106e41fe954581999566a4293ced89.jpg 右下が新しいロゴ

 1971年にシアトルでコーヒー豆を売り出したころの最初のロゴは、コーヒーと版画をイメージしたブラウンがベース。1987年にエスプレッソをメニューに加えた時のロゴは、今に通じるグリーンと黒が基調であり、1992年に上場した時にそれを修正したロゴはバランスが絶妙である。そして2011年、「生まれ変わろう」とハワード・シュルツCEOが宣言して発表したロゴからは大胆にも「店舗名(スタバ)」も「商品(コーヒー)」も消えた。

ah_d90e4a46265b4a3f949382332ba907d0.jpg 当然、カップのデザインも変わる

 予想通り賛否両論、いや否定コメントがあふれた。米国本社Webサイトには、原稿を書いている1月23日現在で854ものコメントが寄せられている。ほぼ炎上である。「デザインが悪い」「好きじゃない」「クレイジーだ」といった否定意見ばかり。まあそれも分かる。スタバファンとしてラブしてきた「第三の場所(家と仕事場の間の場)」の看板も飲料カップロゴも、あっさり変えるのだから。それだけ街角に根付き、文化として愛されてきた証拠なのだろう。

 スタバ40年目のロゴ変更、そのウラにどんな狙いがあるのだろうか? 経営環境とエモーショナルな側面、そしてスターバックス体験から掘り下げてみた。

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