変更を発表したハワード・シュルツ氏のエントリ「Looking Forward to Starbucks Next Chapter(スターバックスの次章に期待を寄せて)」にはこうある。
「シアトルのPike Place店(第1号店)では受け継いできたものに耳を傾け、秋に同じシアトルにオープンした最新のOlive Way店では、スターバックスの未来を感じました」
Pike Place店でコーヒー豆を売る店としてスタートし、40年後のOlive Way店では実験店舗として古材を使い、アーティストの生演奏を入れ、ワインやビールもあるスタバになった。恐らく「LEED」と同社が名付ける新しい店舗フォーマット構想に沿っているのだと思う(LEEDは建物やサービス、商品をすべて環境にやさしいものにするコンセプト店舗。シアトル、ロンドン、ニューヨーク、パリ、マドリード、福岡などにある)。さらにシュルツ氏はこう言う。
「世界50カ国以上で、店舗で、スーパーの店頭で、自宅や会社で、お客さまとつながりがあります。コーヒーだけでなくほかの製品も提供しています」
ポイントは「スーパー」「ほかの製品」というところだ。店舗と製品の変更点を図で整理しよう。タテ軸は「店舗内でコーヒー」か「店舗の外でコーヒーと非コーヒー」、ヨコ軸は「スタバ」か「非スタバ」か。
2010年に発売したインスタントコーヒー「VIA」はヒット。さらに飲料メーカーと提携して、スーパーなどでの小売製品を増やしてきた。それが「店舗から飛び出す」スタバ戦略その1。さらにLEEDやほかの新店舗フォーマットへの移行は、非コーヒーへの拡張であり、「店舗を変える」スタバ戦略その2である。同社の売上高データからその必然性が見えてくる。
売上高構成比推移では、2つの点が顕著。まず店舗や製品のライセンス売上(海外FC収入)が、2005年の6%から2009年には8%へと伸びている。中でもブランド製品売上(小売り商品やVIA)の比率が2005年の2%から2009年には14%へと相当伸びた。
そして売上高は成長が止まった。2008年までの成長後、2009年にマイナス。さらに既存店売上高は対前年比マイナス6%もの減退。常に成長し続ける上場企業の責務が果たせていない。
つまり、新店舗の展開と非コーヒー製品の拡張のため「ロゴ変更が必要」なのだ。
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