もしあなたも親の近くに住みたいと思うのなら、それは社会の大きな流れが影響しているかもしれない。現在の不況や日本人のライフスタイルの変化など、日本社会全体の変化が親の近くに住む人の増加につながっているのだろう。
具体的に説明していくと、日本の長引く不況の中で「将来の収入」に対する不安が大きくなっていることが関係している。実際にサラリーマンの平均年収は1997年から右肩下がりで落ちており、特に2008年から2009年の落ち込みが激しい。
上記の図から分かるように、約10年で60万円以上も平均年収が下がっている。長引く不況によって、平均収入は下がり続け、生活者の収入に対する不安は年々大きくなっているのだ。
その不安から夫婦ともに働く共働きの割合が高まっている。2006年には、夫の1人働きが854万世帯に比べて、夫婦の共働きが977万世帯にのぼる。
共働きで自分たちが子どもの面倒を見られなくても、代わりに面倒を見てくれる親が近くにいる「近居」は、共働き夫婦には大きなメリットだ。現実的な生活者は子どもの教育や住宅ローンにお金がかかることを考慮して、金銭面でメリットの高い近居を選ぶようになっているのだ。
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