コラム
» 2010年12月16日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:未来の姿を描くことで、ギフト市場を活性化させよう (1/3)

17兆円とも言われるギフト市場。かつての儀礼的な贈り物は減り、パーソナルギフトが増えている。人はなぜ贈り物を買うのか。筆者は「未来シーンを描くこと」で消費者の購買意欲を喚起してはどうだろうかと説く。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷好文(ごうよしふみ)

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。他の連載は印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」、メルマガ「ビジスパ」で「ことばのデザイナーのマーケティングレシピ」。中小企業診断士。アンサー・コンサルティングLLPパートナー。ブログ「マーケティング・ブレイン」(コンサル業)、「cotoba」(執筆業)。Twitterアカウントは@Yoshifumi_Go


 クリスマスまであと少し。2010年のイブは金曜日、「奮発しようか」というカップルがいる一方、「いや、ボーナス減額だからさ。贈り物は実用品で手堅くね」という声もちらほら。プレゼントはもう決まりましたか。

 しかし、贈り物で頭を悩ませたことがある人は多いだろう。「マーケティングの9割はオンナでできている」は私の持論だが、下画像の2つのバッグを見て「金輪際オンナへバッグの贈り物はできん」と衝撃を受けた。

ah_gilesdino.jpg ジャイルズ・ディーコンの恐竜バッグ
ah_OwlHandbag.jpg ケイトスペードのフクロウ

 トリケラトプスにフクロウのバッグ? なんだこれ(笑)。ジャイルズ・ディーコンの恐竜バッグはキュートだけど、どこにモノが入るのだろうか? ケイトスペードのフクロウ、「ちょこんと出た足がカワイイ」とか超分からん。

 というのもオトコのバッグ選びはたいてい、「ブナン」と「機能」から入る。TUMIにせよポーターにせよ、仕事のフットワークを重視して選ぶ。一方、オンナのバッグは「私らしさ」「私演出」で決まる。惚れ込んだら比較せずに真っ直ぐだ。バッグへの執着分泌液は男の何十倍もフツフツする。だから、いくつでも盲目的に買うのだ。

 オトコとオンナの欲しいモノ、商品感性はさほど違う。2人が恋人未満のころと、恋人以上のステータスでもプレゼントは違う。愛が賞味期限切れの冷却夫婦でも、儀礼ギフトは大切だ。もちろん親と子、孫と祖父母、親類と縁者、上司と部下、会社と会社など、パターンごとに贈り物には複雑な心理と意思決定が伴う。

 かようにマーケティングの中でもギフト市場は、巨大でありながら複雑かつ繊細。体系化が遅れている領域だ。市場調査会社は「ギフト市場規模17兆円」とマコトシヤカで大雑把な数字を出すが、そんなものに惑わされてはいけない。なぜなら消費行動のうち、必需品でない買い物の何割かは「広義のギフト」である。17兆円の数倍はあるのだ。だからギフトを成功させることは、最高のマーケティング・エクササイズになる。

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