コラム
» 2010年11月25日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:iPadは終わったのか? いやこれからが本番だ (1/3)

一時の熱狂がおさまり、販売台数も減少しつつあるiPad。しかし、iPadが提示した社会や仕事のスタイルには極めて意義深いものがあると筆者は主張。そのスタイルの未来について分析する。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載しているほか、メルマガ「ビジスパ」でも12月から連載開始。中小企業診断士。ブログ「マーケティング・ブレイン」(コンサル業)、「cotoba」(執筆業)。Twitterアカウントは@Yoshifumi_Go


 「停滞している」と言われるiPadの販売。世界販売台数は4〜6月期が330万台、7〜9月期が420万台と、500万台を予想していた投資家たちの期待を下回ったBCNによる国内販売台数調査によると、5月を100とすると、6月145、7月135、8月105、9月100、そして10月は78と減少している。

 見方はいろいろある。「アーリーアダプターの需要が一巡した」「使い方が分からない」「セカンドマシンなら不要」……どれも正しそうだ。でも、よく言われる「電子書籍市場が未開拓だから売れない」には異を唱えたいし、「企業の中の導入の壁」という事情もある。

 今回は「iPadが何を革新するのか」をテーマに、システム開発者やユーザー、日本の会社がガラパゴス化することへの憂慮と、そこから抜け出すための方法を考えてみたい。

なぜ「なんちゃってiPadアプリカード」を配ったのか?

 11月17〜19日に東京ビッグサイトで開催された「デジタルマーケティングNEXT2010」。営業やマーケティングを支援するソフトやサービスをアピールするための展示会である。

 私と盟友の林田浩一さんは、JAGAT(日本印刷技術協会)のブースの片隅で「壱万円ぽっきりソリューションカード」というものを配った。

ah_IMG1753S.jpg 壱万円ぽっきりソリューションカード

 17種類のカードに書いているのは、無料〜数千円のiPadアプリで「こんな改善や改革ができた」という事例。事例には「ワインリストを無料で作る」「BGMを流す」「企画を出し合う」「電子会議をする」「立地調査に使う」「声の録音アンケートをする」などがあり、制作には丸3日かかった。世界中のシステム開発者の叡智がわずか数百円、多くはタダで利用できることに改めて驚かされた。

 こんなカードを作ったのは、単にiPadアプリを紹介したいからではない。「延々と要件定義をしての数千万〜数億円のシステム開発はいらない。自社業務で差別化したい部分は専用システムを作るべきだが、そうではない部分は世界の叡智を使った方が安上がりだ」と訴えたかったからだ。

 システム開発者のマーケティングも「数億円×1社=開発収入」から、「1ダウンロード数百円×世界需要=開発収入」へと変化しつつある。個人や個集団、社会集団をターゲットにする自主企画型のシステム開発の流れは止まらない。iPadアプリやアンドロイドアプリが変えたことを感じてほしいと考えたのだ。

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