為替の落ち着きもあって堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年11月22日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10115.19円 △92.80円
売買高 17億4516万株
日経平均先物 10120円 △70円
売買代金 1兆1446億円
TOPIX 875.48 △5.96
値上がり銘柄 1226銘柄
東証マザーズ指数 382.72 △8.64
値下がり銘柄 325銘柄
日経ジャスダック平均 1179.94円 △10.39円
変わらず 110銘柄
騰落レシオ 112.49% △11.32%

日経平均

欧州や中国の懸念材料出尽くし、為替の落ち着きもあって堅調

 週末の米国市場が堅調となったことやアイルランドが支援を要請し、欧州金融不安も落ち着き、中国でも預金準備率の引き上げがあって、引き締め材料出尽くしとなったことから、週末のヘッジ売りの買い戻しもあって堅調な始まりとなりました。飛び石連休の谷間とあって、方向感のない展開となるのかと思われましたが外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことやユーロが堅調となったこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も上値の重さを嫌気すると言うよりも、買戻しが断続的に入るというように堅調な地合いが続きました。

 後場も特に材料もないなかで休日を前に手仕舞いを急ぐような動きも見られず、値持ちの良い展開となりました。対米ドルでは若干円高となったことで、ここのところ円安を好感して戻していたようなハイテク銘柄の一角に軟調なものも見られるのですが、特に売り材料視されることもなく、業績の上振れが期待される銘柄や持高調整の売りや円高を嫌気して売られすぎた銘柄などが買われて指数も一時大幅高となりました。持高調整の売りに押される銘柄も散見されましたが、売り一巡となった感もあり、大きく下押すこともなく最後まで値持ちの良い展開でした。

 小型銘柄もようやく堅調となった感じです。積極的に買い上がる動きは限定されましたが、小口の買いで値を飛ばすものも多く、東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物の売買は連休の谷間と言う感じで閑散として、まとまった売り買いも散発的に見られるだけで、指数の方向感を出すような動きはありませんでした。最後はヘッジ売りもあって上値を押さえる要因となりましたが、下値を売り急ぐ動きもありませんでした。

 連休の谷間と言うことで動きも鈍いかと思ったのですが、予想以上に堅調な展開になりました。やはり、懸念材料が実現し、「大山鳴動して・・・」と言うことでもないのでしょうが「懸念された」ことで、織り込まれていたということなのでしょう。以前から述べているように、中国の引き締めも投機的なものを止めるということで、実体経済そのものが減速するわけでもなく、欧州金融不安も損失の検証が難しい「デリバティブ(派生商品)」ではなく、金額の決まったものであることで、「出尽くし感」も出たものと思います。まだ、世界的な経済の拡大は続き、「過剰流動性」の流れは続いていると見てもいいのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値圏で「寄り引け同事線」が出ました。休日明けに軟調なはじまりとなるといったん押し目、下値を試すことになるのでしょう。RSIは若干上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、転換線や基準線のサポートを確認するような調整となってもおかしくはないところです。

TOPIX

NYダウ

 高値圏で「寄り引け同事線」となりました。RSIやストキャスティックスも高値圏にあり、基準線や移動平均線との乖離も大きく、いったん上値の重さが気になると、転換線にサポートされながらの日柄調整か、基準線のサポートを確認するような値幅調整となるものと思います。

円相場

NYダウ

 RSIやストキャスティックスも高値圏にあり、上値も重くなって来ました。雲の上限を意識しての動きなのでしょうが、いったん雲の下限のサポートを確認するように、遅行線が日々線のサポートを確認するような調整となるのか、雲の上限に絡みながら、あるいは雲を抜けて底入れを確認してから雲にサポートされて日柄の調整となるのでしょう。

銘柄ピックアップ

悪材料出尽くし感もあって堅調

日 立(6501) 404 △7

 為替が落ち着いていることに加え、JR東海(9022)が「オールジャパン」で米国の高速鉄道建設計画に参画すると新聞で報じられたことから、同社も「オールジャパン」に含まれていることや鉄道インフラ関連銘柄として買われました。

CCC(4756) 430 △28

 シャープと提携し、電子書籍を配信すると新聞で報じられ、今後需要拡大が期待される電子書籍関連銘柄として買われ、大幅高となりました。新たな収益源となるとの見方も強かったものと思います。

ガンホー(3765) 201600 △19600

 高機能携帯電話(スマートフォン)向けに交流サイト(SNS)の運営を始めると新聞で報じられ、ゲームとの相乗効果などから新たな収益源として期待されて大幅高となりました。

京セラ(6971) 8570 △200

 特に材料が出たわけでもないのですが、為替が落ち着いていることや、先週後半の下落の反動から買戻しや値ごろ感からの買いが入り堅調となりました。

トクヤマ(4043) 424 ▼7

 先週末までの上昇の反動や外資系証券が太陽電池の需要減速から原料であるポリシリコンの需給が悪化するとして、投資判断を引き下げたことが嫌気されて軟調となりました。

NKSJ HD(8630) 561 ▼41

 先週末に4−9月期の連結決算を発表、純利益が合併2社を合計した前期より5割減少となったことから、収益性の改善が見られないとして売られ大幅安となりました。

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