為替の落ち着きもあって堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年11月22日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 飛び石連休の谷間と言うことで、方向感は出難いかと思ったのですが、中国の金融引き締め懸念も欧州金融不安も悪材料が出尽くしとなった、あるいは欧州や中国から日本に資金の流れが向かったということなのか一時大幅高となりました。為替もユーロが堅調、米ドル以外は堅調な展開となり、円安メリットも期待されて、買いが入った銘柄もありそうです。世界的信用収縮懸念も薄れ、商品相場なども底堅さが見られたこと、また、日本株の出遅れ感も強いことから、先週末に10000円と言う心理的な節目水準を保ったことで、底堅さが見られ、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 日経平均が10000円を超えて強気な見方も多くなりました。新興国経済の拡大で新興国でしっかりと稼いでいる企業は業績面からの割安感もあり、欧米のように自国通貨安政策で収益がかさ上げされ、そのおかげで自国の国内景気も拡大してくると言うことなのだと思います。しかもこの流れはまだ続いているものと思われ、いわゆる「リーマン・ショック」と言われたような「信用収縮」が起こらなければ、世界的な景気拡大が続くと思われます。

 こうした大きな流れを考えて見ると、ここへ来て大きく上昇しているような銘柄の上昇もある程度予想されたものであり、「円安」にもっと敏感に反応してもいいのではないかと思います。今月の米国の追加の金融緩和の際も円高に振れることがなかったことで、ある程度米国の金融緩和も打ち止め感が出たのでしょうし、足元の米経済指標なども決して慌てて金融緩和を強化しなければないようなものでもないと思います。

 今週末から始まるとされる「クリスマス商戦」も案外良いのではないかとの見方もあり、クリスマス商戦が好調となると今度は金融緩和よりはインフレ懸念、「バブル懸念」となって来るのではないかと思います。11月ということで、ヘッジファンドなどがこれまでの持ち高を解消して、米国株などを売り、日本株を買い戻しているだけなのかもしれませんが、米個人消費が好調となれば、円高懸念が薄れ、円高懸念から下期業績を慎重に見ていた企業などは業績の上振れ期待も出てくるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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