手仕舞い売りが嵩んで大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年11月12日 16時46分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国市場が軟調、G20首脳会合の結果を控えた週末ということもあり、手仕舞い売りに押されて大幅安となりました。それでも前場は外国人も買い越し基調と伝えられたことや対米ドルで為替が落ち着いた動きとなったことから、底堅さも見られたのですが、後場に入ると中国での引き締めや新興国の投機規制の問題などから手仕舞い売りを急ぐ場面もあり、指数は大幅安となりました。特に売り急がなければならない理由があったというわけでもないのですが、買い手控え気分の強いなかで持高調整の売りに押されました。

 昼休みが30分延長させると言う昨日の話ですが、香港株式市場が開いている時間とかぶらせるために前場の取引を30分延長したとの理由も付けられているようです。ただ、それでは何故30分なのかということになり、それなら夕方延長してもよかったのではないか、などと、いろいろ突っ込みたくなってきます。昼休み撤廃のそもそもの議論が「売買高を増やすため」なのか、「世界標準に合わせるため」なのか、いずれにしても「横を見る」ために議論が起きたのであれば、撤廃するのかしないのかだけで良かったのではないかと思います。

 本日の相場も後場に入ってから「上海市場が大きく下がったから」と言う理由で売られたとする見方も出ていたようですが、いつも述べていることなのですが、上海市場などは投機的な動きが強く、中国の経済自体を示しているとも思われません。日本の市場も同じようなところがありますが、中国の経済は気にしなければならないのでしょうが、中国に市場にそれほど神経質になる必要もないと思います。

 これだけ、市場にニュースが溢れているとあれにもこれにも反応する向きがいて、その全部に自分が反応してもきりがないと言うことではないかと思います。以前述べたように、そうした目先的なニュースへの反応は「雑音」として受け流す方が良いのではないかと思います。少し長い目で相場の方向性を見るような投資であれば、昼休みが特にあろうがなかろうが、関係ないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.