手仕舞い売りが嵩んで大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年11月12日 16時46分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9724.81円 ▼136.65円
売買高 18億1653万株
日経平均先物 9740円 ▼120円
売買代金 1兆2505億円
TOPIX 846.98 ▼9.39
値上がり銘柄 375銘柄
東証マザーズ指数 368.96 ▼1.09
値下がり銘柄 1169銘柄
日経ジャスダック平均 1160.54円 △0.15円
変わらず 118銘柄
騰落レシオ 88.78% ▼6.91%

日経平均

米国株安やユーロ安、新興国の規制強化懸念から手仕舞い売りが嵩んで大幅安

 米国市場が軟調となったことやユーロが安くなったことに加え、週末の手仕舞い売りも加わって売り先行となりました。オプションSQ(特別清算指数)の影響はほとんどありませんでしたが、米ドルに対して円安となったことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、一時TOPIXがプラスとなるなど底堅い展開となりました。内需銘柄などを中心に週末の手仕舞い売りばかりではなく買い戻しも見られ、総じて底堅いまま前場の取引を終了しました。

 後場に入ると、中国での不動産規制を嫌気する動きや新興国全般に「バブル」を予防するような規制が見られることなどが嫌気されて、信用収縮の動きがあり、日経平均は一時大幅下落となりました。それでも、円高が止まれば収益上振れとなるような決算発表が多いことから為替が落ち着いた動きになると下値を売り急ぐこともなく、底堅さが見られる場面もあったのですが、最後は目先筋の見切り売りもあって下げ幅を拡大、安値引けとなりました。

 小型銘柄も週末の手仕舞い売りに押されるものが多かったのですが、特に売り急ぐ動きは少なく、指数は小動きとなりました。東証マザーズ指数は軟調、日経ジャスダック平均は小幅高と主力銘柄に比べ、下げ幅も限定的、底堅い展開となりました。先物も前場の寄り付きや後場の寄り付きにまとまった売り買いは見られ、引け間際にまとまった見切り売りやヘッジ売りも見られましたが、その他の時間帯はまとまった売り買いは少なく、大きく指数を方向付けるような動きはありませんでした。

 週末ということで積極的な売り買いには乏しい相場展開となりました。中国株安などを気にする向きもあったようですが中国が安いから下げたというよりは週末の手仕舞い売りやユーロ安を嫌気して売られたものと思われます。新興国などの規制強化の動きで信用収縮懸念も出ていますが、投機的な資金の流れはまだ変化はなく、ありとあらゆる市場に資金の大きな流れは続いていると思われます。資金の出してはいても投資先がなくなるという懸念もありますが、その前に大きな流れも起きるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 寄り付きから軟調で、「三川宵の十字星」のような格好となり、RSIには上値余地もあったのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、いったんここで高値をつけた可能性もあります。遅行線が日々線にサポートされて押し目を確かめる動きとなるのか、転換線の上昇を待って下値を確認するまで高値圏でのもみ合いとなるのか、一気に基準線水準まで値幅の調整となるのだと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均と同様に「三川」のような形で調整となりそうです。遅行線が日々線にサポートされて底堅さも見られるのでしょうが、遅行線が絡む日々線も下落が始まっているところでもあり、日々線が一気に雲のサポートを確認するような動きになる可能性もありそうです。

円相場

NYダウ

 基準線を抜けて順調に上昇しています。ただ、遅行線が日々線に押さえられており、ここで抜けてくるのかいったん日々線に押されて調整となるのかが注目されます。ストキャスティックスは高値圏にあるのですが、まだ若干上値余地もあり、RSIは上昇が続いて上値余地もあり、強含みの展開が続き、遅行線が日々線を抜けてから日々線が基準線のサポートを確認するような展開になるのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

中国引き締め懸念から売られる

GSユアサ(6674) 549 ▼25

 昨日の引け後に2010年4−9月期決算を発表、売上高が前年同期比17%増、最終損益も前年同期の赤字から黒字に転換したが通期業績見通しを変更しなかったことが嫌気されて手仕舞い売りに押され、大幅安となりました。

エルピーダ(6665) 891 △6

 半導体ウエハーなどのテスト事業を手掛ける子会社が上場承認を受けたことから、上場時に株価が上昇した場合、含み益が拡大するとの思惑から買われ、堅調となりました。

菱地所(8802) 1456 ▼9

 前日までの下落の反動、週末の手仕舞いの買戻しに加え、海外で不動産開発を本格化すると新聞で報じられたことから買われましたが、後場に入ってからは目先筋の見切り売りに押されて軟調となりました。

井関農(6310) 200 ▼14

 昨日、2011年3月期連結業績の修正を発表、為替想定レートの変更にとる為替差損などもあり、最終損益を下方修正したことが嫌気されて売られ、大幅下落となりました。

東製鉄(5423) 829 ▼16

 使用済み家電などを材料に電機メーカー向けに高炉大手よりも安い鋼材を供給すると新聞で報じられ、評価する見方もあったのですが、特に材料視されず、週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

三菱マ(5711) 268 △4

 銅の国際価格が上昇基調にあるなど非鉄市況が上昇していることや業績回復が進みそうだと言うことで、大手証券が投資判断を引き上げたことが好感されて買われ、総じて軟調となる相場のなかで堅調となりました。

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