コラム
» 2010年11月10日 08時00分 UPDATE

7割読めたらサイを投げよ!――「七放五落十二達」の法則 (1/3)

「仕事やキャリアにおいて、先が読めないから行動できない」という相談をよく受けるという筆者。そういう時に筆者は「7割読めたらサイを投げよ!」とアドバイスするそうです。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 リスクに対する「危機」という訳語は実に奥深いものです。そこには、危険(デンジャー)と機会(チャンス)が同居しています。飛行機が飛ぼうとする時、抵抗する風を浮揚力に変え、機体は地を離れます。サーファーにとって荒ぶる高波は命を奪いかねないものですが、いったんその波に乗れば、この上なく爽快な瞬間を獲得することができます。考えてみれば、人はリスクをコントロールし、リスクと引き換えに何かを成し遂げるものです。

 私は仕事柄、さまざまなキャリアの相談を受けます。「組織に新たな提案をしたいとは思うのですが」「転職を考えているのですが」「留学したいのですが」「独立しようと思っているのですが」「異動希望を出したほうがいいか迷っていて」……。

 こうして悩む人は多いのですが、大方は不安や保身から二の足を踏むこととなり、それなりに冒険を回避して、それなりの結果で妥協することになります(場合により、その選択は中庸の道を選んだのであって、決して悪いとは言えませんが)。

 しかし、思い切って何かを試していれば、大きく自分が拓けたかもしれません。仕事やキャリア作りにおいて、ひとたび「何か試してみよう」「変化を仕掛けてみよう」とするとリスクが伴います。リスクとは、事態が悪化する可能性、体力や経済力を失う可能性、自らの信用を落とす可能性、周囲から非難される可能性などです。

 これらのリスクを挙げていけばきりがありませんが、リスクも考えようです。平成ニッポンにおいての仕事上のリスクです。命を取られるわけでも、給料がゼロになるわけでもありません。自分が決めた建設的な目的を持って、変化を仕掛けて、自分を試す。そこでたとえ現象面で失敗したとしても、何か取り返しのつかない惨劇が待っているでしょうか。おそらく、そこで得られる心境は、「これで、また1つ状況が進んだぞ。得たものは大きい」―――ではないでしょうか。目的に向かう意志の下では、自分を試すことに失敗はないのです。

 歴史上の偉人の生涯はもちろんですが、私たちが身近で見つける「あ、あの人の人生はいいな」において忘れてはならないことは、その人は必ず、あるタイミングで勇気ある決意と行動を仕掛けたということです。

7割見えたらサイを投げよ=七放

 私は、仕事上で自分試しを何らかの形で仕掛けようとしている人に対して(自分自身に対してもそうですが)アドバイスしていることは単純明快です。「7割レベルまで計画、夢、志、理想像が見えるのであればGO!」です。

 ただし、健康であること、家庭環境がある程度安定していること、そしてその計画に対し情熱があることの3条件が付いた場合です。7割レベルでいったんそのプランを放ってみるということで、私はこれを「七放」(しちほう)と名付けています。

 石橋を叩いてから渡るのか、石橋を叩きながら渡るのか。仕事やキャリア作りは、時間をかけて意志決定すれば、必ずいい答えが持っているとは限りません。状況や仕事の縁といったものは、刻々と変化していきます。動く時は勇気を持って大胆に動くことが自分を拓いていくかなめです。この複雑な社会、複雑な人生において、どんな行動プランであれ、10割読み切るということは不可能です。たとえ読めたとしても、世の中がそのプランどおりに展開してくれる保証はどこにもありません。

 7割まで来たら、まずサイを投げる。そして出た目を見て、次のプランを考え、また行動する。その繰り返しの中で道が見え、道が固まってくるものです。

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