決算期待や金融緩和を期待する動きが続き堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月12日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11010.34△3.86

<NASDAQ>2402.33△0.42

<為替:NY終値>81.92-81.98

決算期待や金融緩和を期待する動きが続き堅調な展開

 米国市場は週末は堅調、週明けも底堅い堅調な展開となりました。週末に発表された雇用統計は予想された通り芳しいものではなかったのですが、金融緩和期待が根強く、ドル安効果からの決算期待もあって総じて堅調となっています。目先的な過熱感も強く、金融緩和もある程度織り込まれつつあるということで、上値も重くなっているのですが、特に売り急がなければならない理由もなく、堅調な地合いが続いているものと思います。

 週明けは為替や債券市場は休場となりましたが、引き続き金融緩和効果やドル安効果もあって商品相場も堅調な展開が続いており、資金の回転、資金の流れは保たれており、お金のめぐりがいいことも堅調な市場の要因となっているものと思われます。市場のセンチメントが上向いていることで、芳しくない経済指標も金融緩和期待につながり、相場を押し上げる要因となり、ドル安効果を期待して、逆に個別企業の決算に対する期待も高まるという展開となっています。

 個別には週末のアルコアの決算発表が好調となったこともあり、アルコアを筆頭に、インテルやJPモルガン・チェースなど決算発表を控えている銘柄が堅調となっているのですが、週明けの市場ではキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄の一角は利益確定売りに押されて軟調となりました。ドル安効果を期待してハイテク銘柄は堅調なものが多く、IBMやアップルなどがしっかりとした動きとなっていました。金融株はJPモルガン・チェースは決算期待で買われたものの、シティグループやバンク・オブ・アメリカなど軒並み利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は円高を嫌気して上値が重くなりましたが、内需株などが買われ底堅い展開となりました。最後は手仕舞い売りに押されて安値引けとなりましたが、持高調整の売り買いや指数の浮動株比率見直しなどに伴う売り買いなどが中心で方向感のない展開が続いていました。為替に振らされることなく目先の需給要因での動きとなったものと思います。

 週末・週明けの米国市場が堅調となったことから、連休明けの日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、注目されたG7での為替調整も特に目新しい材料もなく、円高が止まったわけでもないことから改めて円高を嫌気する動きも見られるのかもしれません。世界的な金融緩和競争のなかで資金の流れは良くなっており、日本株の出遅れを見直す動きも期待され、底堅さは期待できると思います。世界的な金融緩和効果を得られるような商社株や競争力のある独自技術などを持っている銘柄を個別に物色することになりそうです。

 3連休前のヘッジ売りの買い戻しも期待され底堅い堅調な展開となるのでしょうが、相変わらず、9500円〜600円水準での底堅さを確認するような堅調ながらも上値の重い展開となりそうです。円安方向に振れるような場面があれば戻りを試すことになるのでしょうが、為替に大きな動きがなければ、上値を買い上がり難いと思います。逆にある程度の円高は織り込まれているものと思われ、ここから改めて売り直す動きも少なく、9500円台では底堅い展開となるのでしょう。

本日の注目点

◇9月の消費動向調査(内閣府)

◇8月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇FOMC議事要旨

◇8月期決算:サイゼリヤ(7581)

◇3−8月期決算:ローソン(2651)、J・フロントリテイリング(3086)、高島屋(8233)、東宝(9602)

◇7−9月期:米インテル

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