金融不安からの手仕舞い売りが嵩んで軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月24日 08時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10662.42▼76.89

<NASDAQ>2327.08▼7.47

<為替:NY終値>84.37-84.43

住宅関連指標を好感して買われるも金融不安からの手仕舞い売りが嵩んで軟調

 朝方発表になった新規失業保険申請件数が予想を上回って増加、前週発表分も上方修正となり、雇用の不安を煽るような格好となり、目先的な過熱感が強まっている中で手仕舞い売りが嵩んで軟調な始まりとなりました。その後は中古住宅販売が予想を上回って増加、住宅市場の回復=景気回復期待から買われる場面もありました。ただ、欧州での金融不安が米国の金融機関に波及することなどが懸念されて手仕舞い売りを加速させ、最後は軟調となりました。

 米国での景気回復鈍化懸念は薄れ、金融緩和期待も強く、経済指標の発表にも好材料には敏感に反応するような雰囲気になっているのですが、欧州での金融不安が取りざたされていることで、米国金融機関に対する懸念も出ているようです。金融不安と金融緩和期待から債券が買われる場面もありましたが、商品相場は堅調となっており、信用収縮の動きにはつながっておらず、まだ目先的な過熱感からの利益確定売りが優勢となっているという状況だと思われます。

 個別には欧州金融不安が取りざたされてJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、シティグループやゴールドマン・サックスなど金融株が軒並み軟調となり、景気の先行きに対しても懸念は緩和されたものの相場がもたつくと利益確定売りを急ぐ展開となってインテルやIBMなどハイテク銘柄が軟調、原油や金の先物価格は堅調なのですが、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株は軒並み利益確定売りに押されて軟調となりました。それでも景気敏感株はまちまち、アルコアやキャタピラーは高く、ゼネラル・エレクトリック(GE)は軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 休日前の日本市場は飛び石連休を控えていたことや米国株も方向感がなかったことから、売り線先行となったものの底堅く、方向感のない展開となりました。為替も海外では円高が進んだものの日本ではほとんど動きはなく、ユーロも堅調となったことから、材料視もされず、持高調整の売り買いが中心となるなかで方向感のない展開となりました。

 日本市場が休日の間の米国市場が続落となったことや欧州での金融不安が強まり、ユーロが安くなったことなどから日本市場も売り先行となりそうです。中国との問題や飛び石連休の谷間ということや目先的な過熱感も出ていることもあり、円高傾向にあることを嫌気する動きが加速され、下値を試す展開となりそうです。為替の影響の大きな銘柄は利益確定売りに押されるものと思われますが、為替の影響の少ない内需銘柄の一角などが幕間つなぎ的に買われるのかどうかが注目されます。中国関連銘柄も関係悪化が嫌気されて売り急ぐ場面もありそうです。商社株も利益確定売りに押されてしまいそうです。

 シカゴ市場(CME)の日経平均先物が9300円台となっており、下値を試す展開となりそうです。9500円水準を割り込んでしまいそうで、9500円〜600円水準が下値のもみ合いとなるというよりはまだ9200円〜300円水準を下値、9500円〜600円水準が上値と言うもみ合いの中での動きとなりそうです。月末が近く、飛び石連休ということもあり、持高調整など目先の需給に振らされる展開となりそうで、下値を試す動きが加速されてしまう可能性もありそうです。

本日の注目点

◇9月の独IFO企業景況感指数

◇8月の米耐久財受注額

◇8月の米新築住宅販売件数

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長講演

◇プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演

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