電気・ガス・水道を賢く供給する、“マルチグリッド”とは松田雅央の時事日想(2/4 ページ)

» 2010年09月21日 11時57分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

SPINOZAプロジェクト

 カールスルーエ市エネルギー水道公社のプロジェクト「SPINOZA(スピノザ)」には市内の100世帯が参加している。電気、ガス、水道のメーターを通信機能の付いた新しいものに取りかえ、そのデータがGPRSデータ通信システムを通して公社のホストコンピュータに送られ保存されている。

 各世帯のデータへは公社職員とパスワードを知る家族だけがアクセス可能で、自宅のPCや携帯電話を利用することもできる。現在はパイロットプロジェクトとして、実在するモデル世帯の生情報が公開されている。

小まめなデータで節約

 これらの消費データを見ると世帯の生活パターンが詳細に分かる。

 電力消費データは黄緑とピンク色の2色に色分けされている。黄緑色の時間帯(22時〜6時まで)は夜間割引料金が適用され、ピンク色(7時〜22時まで)は通常料金となる。

 ガスの消費データをみるとこの世帯が給湯にガスを利用していることが分かる。家族の洗面は5時から始まり、その後は朝食。出勤は7時過ぎ。昼食時のガス利用が全くないのでおそらく共働きだ。

 水の消費データによると、朝のトイレ利用は6時〜7時がピークで、15時台に水道消費があるから、おそらく中学生がいるのだろう。19時台から、夕食とシャワーの利用が始まり、23時には就寝となる。

モデル世帯の電力
ガスの消費データ1日(2010年9月1日)
水道の消費データ1日(2010年9月1日)

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