企業の採用活動、マネージャークラスに不足感（1/2 ページ）

[堀内彰宏，Business Media 誠]

　2011年大卒者の求人倍率は1.28倍と、新卒求人市場は10年ぶりの低水準となっている。一方、エコポイントやエコカー減税などの効果もあって決算が好調な企業もあるが、中途採用も含めた求人市場全体の動向は、どのようになっているのだろうか。

　イーキャリアの調査によると、企業の採用担当者に「採用活動の意向を1年前と比較した場合、どのように変化しましたか？」と尋ねたところ、「消極的である（非常に消極的である含む）」が33.1％と、「積極的である（非常に積極的である含む）」の27.6％をやや上回った。

　採用に消極的な企業が3社に1社近くを占めている一方、採用に積極的な企業も少なくないようだが、「不足している中途採用の職種」を聞くと、最も多かったのは「事務、管理系（総務・人事・労務・経理・財務・会計・法務）」で31.8％。以下、「営業系（法人向け既存顧客メイン）」が20.9％、「営業系（法人向け新規開拓メイン）」が18.2％、「営業系（個人向け既存顧客メイン）」が15.5％、「技術・研究系（品質・生産管理・メンテナンス）」が13.6％、「企画系（経営企画）」が13.6％で続いた。

　2009年調査と比較すると、「事務、管理系（総務・人事・労務・経理・財務・会計・法務）」が13.1ポイント増、「企画系（経営企画）」が8.9ポイント増とニーズが高まっているようだ。

　1人以上採用する予定がある企業の採用担当者に「1人当たりの採用予算額」を聞くと、「30万円未満」が58.9％と半数を超えていたが、「200万円以上」も10.5％おり、平均は64万9700円と前年より17万4700円増加した。

　イーキャリアでは「予算が増加した理由の1つとして、採用コストがかかるマネージャークラスの人材不足が影響しているのではないか」と分析している。