景気回復鈍化懸念に加え、ユーロ安を嫌気、信用収縮懸念もあり軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年08月23日 08時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10213.62▼57.59

<NASDAQ>2179.76△0.81

<為替:NY終値>85.6-85.66

景気回復鈍化懸念に加え、ユーロ安を嫌気、信用収縮懸念もあり軟調

 特に注目される経済指標などはなかったのですが、欧州金融不安が再燃するような格好でユーロが売られ、信用収縮懸念から商品相場なども軟調となり、引き続き景気回復鈍化懸念もあって軟調となりました。ただ、好材料に敏感に反応、投資判断の引き上げなどもあってハイテク銘柄の一角が堅調となり、ナスダック指数は小幅高となりました。相変わらず景気回復鈍化懸念が根強いことで、週末の手仕舞い売り、ヘッジ売りも嵩んだものと思います。

 米国景気回復鈍化懸念ばかりではなく、欧州の金融不安がまたぞろ取り沙汰されて、ユーロが売られ、商品も軟調となるものが多く、信用収縮懸念も出てきたようです。オプション清算日ということで、目先の需給要因に動かされ易く、信用収縮懸念からの持高調整で売られた面もあるものと思います。いずれにしても信用収縮の動きが続けば景気動向などにも敏感な反応となって目先の需給要因で右往左往するような展開となるものと思います。

 個別には前日引け後に予想を上回る決算を発表したデルが小幅上昇、動揺に予想を上回る決算と売上高見通しを発表したセールスフォース・ドット・コム(顧客情報管理サービス)が20%近い大幅高、投資判断の引き上げあったシマンテック(セキュリティーソフト)も大幅高、インテルも小幅高となるなどハイテク銘柄の一角が堅調となりました。一方でHP(ヒューレット・パッカード)が増益率の鈍化が嫌気されて売られました。景気敏感銘柄のGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラー、アルコアなどは景気回復鈍化懸念から売られて軟調、原油価格の下落などから、エクソン・モービルやシェブロンも軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となり、円高一服となったことから底堅い場面もあったのですが、後場に入って売り直されて大幅下落となりました。週末ということで手仕舞い売りも嵩み、持高調整の売りなどもあったものと思います。景気の先行きに対して懸念が根強く、週末にしっかりと買い持ちすると言う動きになり難く、買い戻し一巡感があったことも買い気の乏しくなる要因となり、下げ幅を広げたものと思います。

 週末の米国市場が冴えない展開となったことに加え、ユーロ安が進んだことが嫌気される展開となりそうです。米ドルは堅調となったのですが、ユーロ安に加え商品相場が軟調となったことから信用収縮からの持高調整の売りが出てくる可能性がありそうです。足元の業績は好調でも先行きに対する懸念は根強く、最後まで買い切れない状況が続いており、底堅い展開は期待されますが、上値も重くまだまだ下値を固めるような展開が続きそうです。売られすぎた感のあるハイテク銘柄の一角などに底堅さが見られるのかどうかも注目されます。

 日経平均は先週末の大幅下落の反動から底堅さも見られるのでしょうが、為替次第では再び9100円水準での底堅さを確認するような動きも出てくるのかもしれません。本日の相場で9200円水準をしっかりと保てるようであれば、9200円水準での底堅さを改めて確認、戻りを試す動きとなるのでしょうが、9100円を割り込むようであれば9000円を割り込まないことをもう一度確認してからでないと戻り歩調とならないかもしれません。

本日の注目点

◇7月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会、14:00)

◇米30年物インフレ連動国債の入札

◇米シカゴ連銀活動指数

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