米国株高を受けて買い先行、一時軟調となるも買い戻しが入り堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年08月18日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9240.54円 △78.86円
売買高 15億8815万株
日経平均先物 9240円 △70円
売買代金 1兆0948億円
TOPIX 835.23 △8.45
値上がり銘柄 1134銘柄
東証マザーズ指数 371.81 △3.67
値下がり銘柄 401銘柄
日経ジャスダック平均 1175.15円 ▼0.54円
変わらず 134銘柄
騰落レシオ 83.05% △6.70%

日経平均

米国株高を受けて買い先行、一時軟調となるも買い戻しが入り堅調

 米国株が大幅高となったことや円高一服となったことから買い先行となり、大幅高の始まりとなりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が金額ベースで売り越しと伝えられたこともあり、戻り売りや手仕舞い売りに押され上値の重い展開となりました。上値の重さが確認されると目先筋の見切売りも嵩んで一時軟調となるなど、米国株高、円高一服となった割には冴えない展開となりました。昨日まで堅調となっていたディフェンシブ銘柄など内需株に安いものが多く、指数の上値を押さえる要因となっていました。

 後場も方向感のない始まりとなりましたが、中ごろから先物にまとまった買いが断続的に入り指数を押し上げると、ハイテク銘柄など輸出関連株の買戻しを急ぐような動きも見られ、また、前場軟調となっていたディフェンシブ銘柄などを買い直す動きもあり、先物主導で前場の高値更新となりました。為替は円高傾向にあったのですが、売られ過ぎの修正というような展開で幅広い銘柄に買いが入り、値持ちの良い引けとなりました。ここのところ毎日、後場に入ると買いが入り底堅い展開となっているようで、持高調整の買いが入っているのかもしれません。

 小型銘柄は買戻しが入り難い分、戻りも鈍いものとなりました。ちょっとした買いが入ると値を飛ばすものも見られましたが、総じて上値は重く、東証マザーズ指数は堅調となったのですが日経ジャスダック平均は横ばいに止まりました。先物は前場は寄り付きの買いが一巡した後はまとまった売りが断続的に見られ、指数を下押す場面もあり、逆に後場は中ごろから先物に散発的ではあるのですがまとまった買いが見られ指数を押し上げる場面もありました。

 後場に入ると買いが入るパターンが続いていますが、本日も幅広い銘柄に買いが入った感じです。前場は円高傾向にもかかわらずハイテク銘柄などが買われ、後場は前場売られていた内需関連銘柄、ディフェンシブ銘柄などにも買いが入りほぼ全面高となりました。買戻しが主体と思われますが、9000円を割り込みそうでないと言うことで、売り急ぐ動きよりも買戻しを急ぐ動きが強いと言うことなのでしょう。為替に落ち着きが見られ、米国景気鈍化懸念が薄れれば、割安感が強いものが多いだけにすぐに買戻しも入るということなのでしょう。今後も底堅い展開が続くものと思われます。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 堅調となりましたが、8月16日の高値を抜けずに底値圏でのもみ合いが続きました。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下落が続き下値余地もあり、もう少しだけ下値を確認する動きが続くのかもしれません。遅行線が日々線の底値の日柄と一致するところまでには動きが出てくるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 ストキャスティックスは底値圏からの反発となっているのですが、RSIは下落が続いているのですが、中途半端な位置にあり、底値圏でのもみ合いが続いています。それでも16日の高値を抜けて転換線まで上昇、底入れ感が出てきました。いったんは転換線に押さえられたものの戻りを試す動きとなってくるのかもしれません。遅行線が日々線に絡むところで動きは出てくるのでしょう。

円相場

NYダウ

 下げ渋りとなりましたが、反発は鈍いものとなっています。RSIはまだ中途半端な位置で方向感はなく、ストキャスティックスは底値圏からの戻り、上昇が続いてはいるのですが、上昇にかげりも見られ、転換線をしっかりと抜けてこないとまた、下値を確認するような場面が出てくるのかもしれません。それでも大きくした押すところでは下げ渋り、底堅さも見られるものと思います。

銘柄ピックアップ

売られ過ぎ銘柄の修正も

三菱商(8058) 1885 △45

 昨日は反発となったものの大きく下落となっていたことの反動に加え、海外で商品市況が堅調なことから割安感が強く、売られ過ぎ銘柄の修正として買われました。エジプトで東芝(6502)や近畿車輛(7122)と共同でエジプトで地下鉄車両を受注したと報じられたことも好感されたものと思います。

国際帝石(1605) 396000 △17500

 昨日までの下落の反動に加え、海外市場で原油先物価格が堅調となったことやカスピ海油田の権益の追加取得が好感されて買われ大幅高となりました。

日電産(6594) 7390 △240

 米電機大手からモーター部門を買収すると新聞で報じられ、モーターの品揃えからのシェア拡大が期待されて買われ大幅高となりました。

日清食HD(2897) 3015 ▼5

 ウクライナで年末まで小麦などの輸出を制限すると伝えられたことで、小麦価格が上昇すれば採算悪化となると懸念されて売られました。ディフェンシブ銘柄を手仕舞う動きもあり売られたものと思います。

SUMCO(3436) 1505 ▼4

 年度後半から300ミリウエハーの伸び悩みや太陽電池用ウエハーの採算改善の遅れなどが懸念され、国内証券が業績見通しを下方修正、妥当株価も引き下げたことが嫌気されて売られ、軟調となりました。

ニコン(7731) 1511 △23

 今業績は売上高は円高の影響で会社計画を下回るが、利益面では上回る可能性が高いとして外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感されて買われ、堅調となりました。

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