米国株高を受けて買い先行、一時軟調となるも買い戻しが入り堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年08月18日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことや円高一服となったことから買い先行となり、大幅高の始まりとなりましたが、寄り付きの買いが一巡した後は上値も重く、上値の重さを嫌気した手仕舞い売りや見切売りに押され上げ幅縮小となりました。一時軟調となる場面が見られるなど、米国株高や商品相場高にもかかわらず上値の重い展開となりました。円高に振れることで株が売られ、株価が下がると円高になるというような展開で堅調ながらも冴えない展開となりましたが、後場中ごろから先物にまとまった買いが入ると買戻しを急ぐ動きもあり、再び大幅高となる場面もありました。

 相変わらず盛り上がりに欠ける展開となっています。米国株が大幅高となったにもかかわらず円高を嫌気して売られる場面もあったのですが、円高の割りにハイテク銘柄など輸出株は売られすぎの反動もあって堅調となるなど少し動きも変わってきたのかもしれません。米国での景気回復鈍化懸念が薄れ、欧州での金融不安が薄れれば、あとは新興国の景気拡大次第ということでしょう。

 ここのところのニュースでも電子部品や自動車部品その他いろいろと「増産」と言うニュースが聞かれます。これまでも半導体などで増産をすると需給が緩み、価格が下落して利益が出なくなるということが繰り返されて来ましたが、明らかに新興国などでの需要増が増産の要因であれば、まだまだ新興国などが牽引する形での景気回復、景気拡大は続いていると見ても良いのではないかと思います。

 中国のGDPの伸びなどでも12%が10%になったから、あるいは10%が8%になったからダメだ、などと言われますが、12%にしても10%にしても「経済がすごい勢いで拡大している」と言うことには違いないのであり、景気が「良い」か「悪い」かと言われれば「良い」ということでしょう。日米欧の景気も「良い」、「回復している」と言うことには違いなく、「先行きに対する懸念」と言いますが、少し悲観的に見過ぎているのではないかと思います。「良い」「良い」と言っておいて「悪い」となると「大変な事」であり、「悪い」「悪い」と言っておいて「良く」なった場合は「良かった」で済んでしまうので、「悪い」と言っておいた方がいいということなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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