昨日の大幅下落の反動もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年08月05日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株が堅調、特に景気回復鈍化懸念が薄れて堅調となったことや円高一服となったことから、買い先行となりました。後場に入ってから再度為替が円高方向に振れたのですが、昨日は違い株式売り債券買いの動きは見られず、逆に債券売り、株式買いの動きとなり、指数は堅調な推移となりました。半導体関連銘柄などが売られたのですが、不動産株や建設株などが買い戻しも交えて買われて、指数を押し上げる動きとなりました。

 為替も金利も株式もお互いに入り混じって複雑な動きになって来ました。昨日も今日も業績に反応しているようで、ほとんど決算動向には反応していないのではないかと思います。持高調整の動きで債券も為替も株式も動いているような印象です。金利と株価の関係も日本は金利低下=株安、米国は金利低下=株高、という図式、イギリスも金利低下=株高だと言うコメントが見られましたが、日米の関係を見た場合には、「お金をためてから使う」か「使ってから返す」かの違いが相場に出ているということでしょう。

 つまり、日本ではお金をためてから使うので、貯まるまでは使わない、金利が低いときは金利収入も少なく、景気も悪いから使わない、と言うことで、企業業績も芳しくなく、株は下がってしまうのでしょう。米国では金利が低いとお金を借りて使う人が増えるから、企業業績が良くなる、株が上がるということでしょう。金融緩和の効果が「個人」と言うレベルで大きい米国と、個人レベルでは逆に金利が高いほうが資産効果が上がる日本との違いということなのでしょう。

 株式の配当利回りが高くてもいっこうに金利裁定も働かないところを見ると、あくまでも「貯めてから使う」と言うことなのだと思います。「貯めてから使う」から不景気なときは消費もますます落ち込みデフレとなってしまうのでしょう。案外、日本では金利を上げた方が景気が良くなると言うこともあるのかもしれません。バブルの時のように企業がお金を使う時代ではなく、個人のお金に頼るということであれば、発送が少し違ってくるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.