米国株高を好感し決算発表に対する期待もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月23日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が大幅高となったこと、特に足元の好調な業績に反応した格好で大幅高となったことから、買い先行となり、週末の手仕舞い売りやヘッジ売りをこなして値持ちのいい展開となりました。相変わらず盛り上がりには欠ける展開となってのですが、指数に影響の大きなハイテク銘柄などが買われて指数を押し上げ、堅調となりました。決算動向が新聞などで報じられて好調なものが多いことも売られすぎの修正となっているものと思います。

 米国でも日本でも好業績に反応したと言うことですが、先週から米国の決算も好調なものが多く、経済指標も決して芳しくはないのですが、昨日の中古住宅販売と同じで「思ったおど悪くはない」はずなのです。市場のセンチメントが上向いていればそれだけ楽観的な見方をする人が増え、同じ材料でも売り要因とはならず、逆に買い要因となるのかもしれません。米新規失業保険申請件数でも悲観的な見方が多く、慎重な見方をしてものだから、予想よりも雇用情勢が良いということになってしまうのです。

 目先的な市場の動きがセンチメント=雰囲気に流されてしまうのは致し方ないと思いますが、その中で経済指標や個別企業の決算もしっかりとした大きな流れの中で見て行けば良いのではないかと思います。米国の企業も国内の超低金利で資金を調達し、新興国の経済拡大の中で利益を上げ、米国内景気の先行きが思わしくない=金利が低い=ドル安ということでさらに利益が膨らむということになっているのでしょう。

 日本企業は円高気味であり、同じようには見られないかもしれませんが、新興国でしっかりと利益が上げられており、新興国の中で製造=販売が行われていれば、思ったよりも為替の影響は少ないかもしれません。新興国の経済の拡大はまだまだ続いており、国内での停滞を補っている企業も多いものと思います。米国や欧州の影響も思ったよりも少ないものも多く、更なる景気の悪化を懸念しすぎる必要はないものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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