欧州金融不安の後退や好決算発表を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月14日 08時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10363.02△146.75

<NASDAQ>2242.03△43.67

<為替:NY終値>88.68-88.74

欧州金融不安の後退や好決算発表を好感して大幅高

 前日の引け後に発表された素材株や半導体製造装置株の決算が予想を上回ったことで、景気回復鈍化懸念が薄れたこと、また、ギリシャ国債の入札が順調となったことからストレステスト(資産査定)の発表前に、欧州金融不安が薄れたことが好感されて買われ大幅高となりました。ハイテク銘柄や金融株が高く、素材関連銘柄などの景気敏感株など幅広い銘柄が堅調となりました。決算発表を控えていた半導体株なども買われるなど景気回復鈍化懸念が薄れ、決算発表が本格化するなかで期待も高まり、売られ過ぎの修正もあって大幅高となったものと思われます。

 前日の好決算を好感して買われたものですが、この日の引け後に発表された半導体大手の決算も予想を上回るなど、これまで売られる材料とされていた景気の二番底に対する懸念も薄れてきているのではないかと思います。一つ二つ好決算が発表されればセンチメントも変わるのではないかと期待していたのですが、決算発表の始まりから、好調な決算が確認されたことで、今後の決算に対する期待も高まりセンチメントは明らかに好転していると見てもいいのかもしれません。決算動向に反応しながら売られ過ぎの修正も期待されそうです。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表したアルコアが高く、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株が堅調、引け後に決算発表を控えたインテルも前日の引け後のノベラス・システムが予想を上回る決算を発表して大きく買われていたこともあり、決算期待から堅調となりました。引け後に発表された決算は予想を上回り、時間外取引でも大きく上昇しています。同様にハイテク銘柄の決算に対する期待も高まり、IBMやヤフー、マイクロソフトなども堅調となりました。アップルは利益確定売りや新型高機能電話の問題もあり、軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国企業の好決算発表を受け買い先行となったものの持高調整の売りに押されて上値が重く、後場に入るとユーロ安を嫌気するように持高調整の売りも嵩んで軟調となりました。ただ、引き続き米国企業の決算動向や日本企業の決算を見極めたいという展開で積極的な売り買いに乏しく、方向感のない展開となりました。業績動向の方向性が見えると一斉に動きが出てくるのだと思います。

 本日の日本市場は昨日に続き米国企業の決算が好調となったことや米国株高、ユーロ高を好感して買い先行となりそうです。中国景気の問題なども米国景気に対する懸念が杞憂に終わりそうであり、懸念も薄れるものと思われ、景気回復鈍化を懸念して、売られすぎた銘柄の反発が期待されます。特に昨日に続き半導体関連銘柄の決算が好調となっていたこともあり、半導体関連銘柄を中心としたハイテク銘柄などの上昇が期待されます。原油や金など商品市況も堅調となったことから、売られすぎ感の強い商社株や非鉄株なども買い直されるものと思います。

 シカゴ市場(CME)の日経平均先物の終値(9625円)以上に時間外取引では買われており、日経平均は9500円〜600円の水準での下値固めは終わった可能性もありそうです。今度は目先の節目である9800円〜900円水準をとりあえずは試す動きとなって来そうです。為替に大きな動きがないような展開であれば、9500円〜600円水準で底堅い展開となり、業績上方修正などが続くようであれば、あっさりと9800円〜900円水準を抜けて、その次の節目である10200円台を目指すことになるのでしょう。

本日の注目点

◇6月の製造業部門別投入産出物価指数(日銀)

◇日銀政策委金融政策決定会合(15日まで)

◇6月の米小売売上高

◇6月の米輸出入物価指数

◇5月の米企業在庫

◇米連邦公開市場委員会(FOMC、6月22−23日開催分)議事要旨公表

◇米30年物国債入札(銘柄統合債)

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