――新商品の特徴を教えてください。
工藤 チキンバーガーは王道感のあるものを目指していたので、チキンを一番おいしく食べられる仕立てにしました。
鶏肉はもも肉とムネ肉に大きく分かれるのですが、それぞれいいところがあります。ムネ肉は柔らかくて、脂分が少なくて、しっとりした味でヘルシー感があります。もも肉は逆にジューシーなのでよくから揚げにされたりして、好んでいる日本人も多いです。
チキンバーガー ソルト&レモンではもも肉を使っています。そして、もも肉のジューシー感をうまく引き出せるように、薄揚げ風の衣にしたんですね。それによって、パリパリした薄い衣の食感と肉のジューシー感を味わっていただけるようにしました。これに少しレモンの風味を付けたソースを付けて食べます。新規のオイルをベースにしたソースを使っているのですが、ソースで食べるというよりかは、パンにバターやオリーブオイルを塗るのと同じように、サッパリして食べられるような仕掛けにしています。
チキンバーガー オーロラは胸肉を使っていて、どちらかというとクリスピーな食感にしています。ソースはマヨネーズとケチャップを合わせたもので、マクドナルドらしいど真ん中の商品です。ただ、それだけだと普通の商品になってしまうので、ソースにオニオンやピクルスを入れて、具材感と一緒にチキンを味わえるような組み立てにしました。
また2商品共通で、新しく開発した“8の字パン”というものを使っています。パン工場で、棒みたいな生地をくるっくるっと1つずつ手で結んで、二次発酵させるのです。ベーカリーでよく見るようなパンになるのですが、こうすると見た目で新規性が出るだけでなく、食感がすごく良くなるんですね。
普通のハンバーガーのパンはサクサクした感じでかみ切りやすくて、それは1つのいい特徴でもあるのですが、8の字パンでは引きの強い食感になるんですね。そして、生地には小麦の全粒粉も練りこんで、本格感のあるパンにしました。このパンは今のところ、チキンバーガー専用です。ソルト&レモンに関しては、パンもチキンもソースも新規なので、社内では当然オペレーション上の調整が必要でしたが、彼らも魅力的な商品を販売したいということで、いろんな協力をしてくれました。
――オーロラをど真ん中の商品とおっしゃっていましたが、ソルト&レモンの方をレギュラーメニューにしたのはなぜですか?
工藤 やはり、今までになかった目新しさはソルト&レモンの方が強いからですね。
――チキンフィレオやチキンタツタといった、従来からあるチキン商品との住み分けについてどうお考えですか?
工藤 いつの時代でもチキンの本流でいられるような商品としてできたのが、今回の商品なんですね。和風のチキンタツタやチキンフィレオは感覚的にもボリューム的にも、フラッグシップになれるような商品ではまだなかったのです。価格帯も商品の組み立ても違います。
――ジューシーチキンセレクトの特徴を教えてください。
工藤 ジューシーチキンセレクトはこれだけで完結できる食事というのを目指していて、そのためのボリューム感、そしてこちらでも本格感を大事にしました。もも肉を使っているのですが、そのジューシー感を生かせる衣や味付け、サイズにするようにしています。
――シャカシャカチキンとの住み分けが難しいと思ったのですが。
工藤 商品のコンセプトがもともと違うので、一緒に食べていただくとボリューム感の違いなどは分かっていただけると思います。ジューシーチキンセレクトでは、ジューシー感を出すために、例えば「もも肉をどう切り分けていくか」というところまでこだわっているんですね。鶏肉には繊維質がありますが、繊維に対して平行に切るか、垂直に切るかで食感はすごく変わります。ジューシーチキンセレクトは繊維に対して垂直に切っていて、そうするとかみ切りやすい、やわらかい食感になるのです。
大内 シャカシャカチキンは胸肉でヘルシー感があり、ジューシーチキンセレクトはもも肉でジューシー感があるという形になっていますね。
――シャカシャカチキンはレモン、ブラックペッパー、チーズと3種類の味がありますが、ジューシーチキンセレクトでは1種類の味に絞られた理由は何ですか?
工藤 シャカシャカチキンは調味料を振る楽しさや、バリエーションを付けた味を訴求する商品です。胸肉はサッパリした味なので、いろんな味付けがしやすいのですが、もも肉を使うジューシーチキンセレクトでは1種類だけで完結するような衣の味付けにしました。
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