欧州金融不安が取りざたされて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年06月22日 09時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10442.41▼8.23

<NASDAQ>2289.09▼20.71

<為替:NY終値>91.04-91.1

中国経済の成長期待や足元の好調な景気を好感するも欧州金融不安が取りざたされて軟調

 中国の為替相場の弾力性を高めるとの動きを好感、中国経済が引き続き順調な成長を示すものとして、米国経済にも好影響との見方から輸出企業を中心に堅調な展開、一時大幅高となりました。ただ、週末のヘッジ売りの買戻しが一巡となり、欧州金融機関の格下げなども伝わってユーロが売られると、またぞろリスク回避、信用収縮の動きから軟調となりました。商品相場なども利益確定売りなどに押されたこともあり、信用収縮懸念が強まったものと思います。

 景気回復を織り込みたいのですが、どうしても欧州金融不安が拭いきれず、信用収縮懸念が根強く、商品相場やユーロの動きに敏感に反応してしまうということのようです。ただ、中国などを中心に新興国経済の拡大を織り込むように底堅さが見られ、足元の景況感を確認しては買い直すような展開となりそうです。欧州金融不安がどこまで緩和されるかが今後の課題となりそうです。ユーロの動きに敏感な反応となって来るのかもしれません。

 個別には世界的な景気拡大が期待されることからアルコアが大幅高、素材株などの景気敏感株は総じて堅調となり、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など中国など新興国関連銘柄としても買われ、堅調となりました。原油価格は堅調となったことで、エクソン・モービルやシェブロンは高く、金先物が利益確定売りに押されたことでパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株は安くなりました。週末の新作映画の興行収入が好調と伝えられたウォルト・ディズニーも高く、IBMなどハイテク銘柄は朝方は総じて堅調となったのですが、利益確定売りもあり、IBMは堅調となったもののインテルやアップルなどは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧州金融不安の後退や中国元の上昇を好感して大幅高となりました。中国元の影響はネガティブに働く、円高に振れるのではないかと懸念されたのですが、円高に振れず、逆に対ユーロなどで円安に振れたことを好感して輸出株が買われ大幅高となりました。買戻しを急ぐ動きもあり、中国から製品を輸入しているような企業まで買われ、堅調となるなど、先物主導で指数を押し上げた面もあるものと思います。

 本日の日本市場は米国市場が軟調となったことやユーロ高も一服となったことに加え、昨日の大幅高の反動もあり、上値の重い展開となりそうです。「中国関連銘柄」として大きく買われた銘柄なども目先筋の利益確定売りや手仕舞い売りに押されて上値も重くなるものと思われます。一方で、昨日の相場で利益確定売りや持高調整の売りに押されていたような銘柄は反発も期待されるのではないかと思います。幕間つなぎ的にディフェンシブ銘柄や低位株などが物色されるのかもしれません。

 日経平均は10000円水準を固めたということになりそうです。次の節目と見られた10100円台半ばから10200円台半ばの水準まで一気に上昇となり、ほぼ底入れ確認となったものと思われますが、10000円台を固めるように10100円台での底堅さが確認されるのかどうかが大いに注目されます。10100円〜200円水準で底堅さが確認されると10500円〜600円水準までの戻りを試すことになりそうです。

本日の注目点

◇香港の5月の消費者物価指数

◇6月の独Ifo景気動向指数

◇5月の米中古住宅販売件数

◇米2年物国債入札

◇米連邦公開市場委員会(FOMC、23日まで)

◇海外3−5月期決算:アドビシステムズ

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