コラム
» 2010年06月08日 08時00分 UPDATE

1年で5000万円を稼いだ「遺言ビジネス」の真髄とは? (1/2)

どんな人でも、人生、できるだけトラブルは避けたいもの。特に、ドロドロとしたお金にまつわるトラブルは、もし自分が当事者になったとしたら、避けたいと思うに違いありません。そんな潜在的なニーズを反映してか、近年、「遺言」ビジネスが活況のようです……。

[小野寺洋,Business Media 誠]
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著者プロフィール:小野寺洋(おのでら・ひろし)

1973年佐賀県生まれ、佐賀大学理工学部卒。大学卒業後、出版社に入社。2005年から株式会社JIMOSで自社通販ノウハウを元にしたダイレクトマーケティング支援事業を行う。


 近年、遺言書を作成する人が増えている。

 日本経済新聞の報道によれば、2009年に公証役場で作られた公正証書遺言は約7万8000件、家庭裁判所が検認した自筆の遺言書は1万3000件という。これは10年前と比べて、35%〜40%増になっている計算だ。

「遺言ビジネス」で5000万円!

 「遺言書ブーム」と言ってはちょっと言い過ぎかもしれないが、「家族のため」と思って遺言を書く人が増えているのは事実だ。文房具メーカーのコクヨが行った遺言に関する調査(30代〜60代既婚男女1072人対象)によると、遺言書を書いた方が良い理由として、「何となく家族のためになると思う」「相続トラブルに巻き込まれないようにしたい」などが最上位にランクインしている。自分の死後、家族に余計な負担をかけたくないという思いが、遺言書の作成に向かわせているようだ。

 また、同調査では、遺言書の作成法に関するイメージとして、3人に1人は「遺言書の書き方を見て、自分で書く」「インターネットで調べて、自分で書く」と回答。専門家に任せるものと思いがちな遺言書だが、意外にも自分自身で作成したい欲求が高いことも分かった。

 そこでコクヨは、この「遺言書を自分でつくりたい」ニーズに目をつけ、「遺言書キット」を企画。

(1)遺言虎の巻(遺言書の書き方マニュアル)

(2)コピー予防機能を備えた遺言書用紙(コピーすると「複製」の文字が浮かび出る)

(3)開封すると元に戻せないセキュリティ仕様の封筒

(4)下書き用紙

(5)保管用台紙

 この5点セットを2415円で販売したところ、1年間で何と2万セット以上、金額にして約5000万円を売り上げたという。

ah_yukito.jpg 遺言書キット(出典:コクヨS&T)
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