米国市場が堅調、為替も円安ということで、買い先行で始まるも過熱感が強く上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月31日 16時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 底堅い堅調な地合いが続いていますが、何とも盛り上がりにかけ、物色対象も広がらず、心なしかディーラーなどの材料に対する反応も鈍いようです。先物もまとまた売り買いも見られましたが、追随する動きはもちろん、まとまった売り買いへの反応も限定的となり、指数を動かす材料に乏しく大きな動きにはなりませんでした。目先的な過熱感はあるものの月末・期末のお化粧買いに対する期待や明日の日銀短観の上振れに対する期待も根強く、上値の重さを確認しても売り急ぐことにはならないということです。

 3月も本日で終わり、明日から4月相場となりますが、目先的な過熱感が強く、利益確定売りが先行となるのではないかと思われます。強気な見方も多くなっていますが、とりあえずは配当を取ったあとの利益を確保しようと言う動きが中心となって来るのだと思います。注目される経済指標の発表や大型上場などもありますが、いったんは利益を確保するために売りから入る投資家も多いのではないかと思います。

 一方で業績の回復が期待され、2010年3月期の決算も上方修正となるものも多く、来期は少し強気な見方となって来るのではないかと思います。「知ったら仕舞い、と言われ、2010年3月期の業績が上振れると「織り込み済み」とばかりに売られるケースもあるのでしょうが、昨日の海運株の上方修正に見られるように、思った以上に業績が回復している企業も多く、また、環境問題や今回の世界不況からの立ち直りの過程で「スマートグリッド」や「電気自動車」など新たなビジネスも立ち上がっており、これらのテーマに乗って、業績上振れとなるものも見られるのかもしれません。

 株式市場は「生もの」ですから、自分のスタンスをしっかりと決めておくことは大切なのですが、あくまでも市場を見る目は常に先を見て、臨機応変に変化を感じ取ることも大切だと思います。自分の考えをしっかりと持っていなければならないのですが、あまりに拘泥しすぎて、変化を見逃さないようにしたいものです。市場で話題になり、持て囃されているときはもう既に遅いのかもしれず、「次」の展開を予想してそちらの流れに乗れるように準備をしておく必要があると思います。時には早めに流れに乗り、あるいは流れに逆らうということも必要かもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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