景気回復を織り込む展開で景気敏感株が堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月24日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10888.83△102.94

<NASDAQ>2415.24△19.84

<為替:NY終値>90.4-90.46

景気回復を織り込む展開で景気敏感株が堅調

 朝方発表された中古住宅販売は前月の改定値と比べ減少となりましたが、予想を上回ったことから好感され買い先行となりました。同様に発表された住宅価格指数も前月に続いて下落となったものの前月よりは改善、景気回復を織り込みながらも超低金利を見直すような動きにはならないということで、株式市場では好感する動きとなりました。景気回復を織り込むように投資判断の引き上げや景気敏感株に好意的な評価が見られ、素直に好感する格好で買いが集まり、堅調となりました。

 欧州でのギリシャの問題もまだ燻っているのですが、特に悪材料視されることもなく、素直に景気回復、業績回復を織り込む格好となりました。住宅指標も底入れ感も出ているのですが底入れが確認できるほどの数字でもないということで、かえって「出口戦略」が取り沙汰されることもなく、欧州での金融不安もあって、商品市況が投機的な動きで高騰することもなく、金利の上昇を抑えて、株式市場にはプラスに働いているようです。

 個別には景気回復を織り込むようにキャタピラーが大幅高、アナリストの好意的な評価も買戻しを急がせたようです。連れて、GE(ゼネラル・エレクトリック)やインテル、アップルにアルコアなどが高くなり、JPモルガン・チェースやシティグループ、バンク・オブ・アメリカなど銀行株も高くなりました。中古住宅販売が予想を上回ったことから住宅関連銘柄も高く、レナーは大幅高となりましたが、朝方発表した決算が予想を下回ったKBホームは軟調となりました。引け後に予想を上回る決算や売上高見通しを発表したアドビ・システムズは時間外取引で大幅高となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は過熱感が強いこともあり、持高調整の売り買いが中心となるなかで軟調、小動きとなりました。外国人が引き続き買い越し基調と伝えられたこともあり、底堅さも見られたのですが、売り買いの決定的な材料に乏しい中で決算期末を控えた持高調整が多かったようです。買戻しがまとまって入った銘柄は高く売りが多かった銘柄が軟調と、目先の需給に振らされて指数の方向感は見られませんでした。

 米国市場が堅調となったことや為替も落ち着いていることから、日本市場も反発となって来そうです。ただ、期末接近で積極的に買い上がり難いことや持高調整の売り買いが中心ということもあり、指数は方向感のない展開となりそうです。海外での商品市況なども落ち着いた動きとなって、手掛かり難のなか、業績回復をどこまで織り込んでいるのかと言うことになりそうです。昨日の引け後も業績上振れを発表する銘柄も多く、少なくとも持高調整の売りが嵩まない限り売り急ぐ展開にはなり難く、持ち合い解消や決算前の利益確定売りに押されながらも割安感が強い銘柄などを中心に堅調な展開となりそうです。

 引き続き日経平均は上値の節目である10800円から900円水準を試す動きが続くものと思います。まとまった持高調整や持合解消のような動きがなければ業績回復を織り込む格好で節目を目指すことになるのでしょう。下値も引き続き10500円から600円程度まで下落する可能性はあると思いますが、10800円前後での底堅さが見られるようであれば、早めに1月高値水準を抜けて来るのではないかと思います。ただ、まだまだ目先的な過熱感が強く、過熱感を冷ますように上値の重い展開は続くものと思います。

本日の注目点

◇2月の貿易統計(財務省)

◇東証2部上場:ダイト(4577)

◇2月の米耐久財受注

◇2月の米新築一戸建て住宅販売

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