先週末の過剰反応の反動で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年02月22日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10400.47円 △276.89円
売買高 16億0550万株
日経平均先物 10370円 △230円
売買代金 1兆2289億円
TOPIX 909.75 △20.67
値上がり銘柄 1533銘柄
東証マザーズ指数 398.14 △4.91
値下がり銘柄 102銘柄
日経ジャスダック平均 1191.52円 ▼4.03円
変わらず 46銘柄
騰落レシオ 75.67% △5.32%

日経平均

先週末の過剰反応の反動で大幅高

 公定歩合の引き上げを受けた米国市場が底堅い堅調な展開となったことで、先んじて大幅下落となった日本市場が過剰反応となったことの反動から買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しとなったと伝えられたことや、欧州での金融不安も一服となったことなどから週末のヘッジ売りの買戻しも交え、ハイテク銘柄などを中心に買い気配から始まり大幅高となり、寄り付きの買いが一巡した後も堅調な展開が続きました。

 後場に入るとさすがに目先筋の利益確定売りや買戻し一巡感から上値が重く、上げ幅縮小となりました。それでも先週末の大幅下落の反動と言う意味では上げ幅の縮小も限定的、売り急ぐ動きはなく、利益確定売りや戻り売りをこなしながら堅調な地合いが続きました。不動産株や海運株など売られすぎた感の強いような銘柄も堅調な地合いが続き、電力株や食品株などディフェンシブ銘柄も堅調となっています。いわゆる主力株と言われるような銘柄が買われているところを見ると、「円キャリー取引」の買いもあったのかもしれません。

 小型銘柄も堅調なものも多かったのですが、主力銘柄がほぼ全面高となるなかで値動きの悪さを嫌気するような手仕舞い売りや見切売りも見られ、東証マザーズ指数は大幅高ながらも主力銘柄ほどの上げにはならず、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物は朝方から散発的にまとまった買いは見られるのですが、追随する動きは限定的で、特に後場に入ると追随するような動きは見られず、一旦方向感を示したものの最後まで続きませんでした。

 先週末に過剰反応となった分、しっかりと戻りましたが、積極的に持ち高を増やすという状況でもなさそうです。まだ、中国や米国の出口戦略や欧州の金融不安など、懸念材料も多く、いつまでも経済指標やデフレの改善が見られないといくら企業業績が好調でも決算期を控えて金利動向や為替の状況、米国の景気回復情況などによっては一旦、手仕舞い売りなどが出る可能性もありそうです。腰の据わった買いもまだ見られず、決算をにらんだ持ち高調整の動きがどこで出てくるのかも注目されます。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線も日々線も基準線に上値を押さえられるように上値も重くなりました。ただ、先週末の大幅下落を取り戻すような動きとなったことで、底堅さは確認できたものと思われます。引き続き下落が続く基準線を抜けるかどうかがまずは注目され、抜けてくれば基準線をサポートにして遅行線が日々線に絡む水準まで戻りを試すことになりそうです。RSIもストキャスティックスも上昇余地があり、強含みの展開、戻りを試す動きは続いているものと思われます。

TOPIX

NYダウ

 雲や転換線のサポートが確認され戻りを試す動きとなりました。下落する基準線までもまだ戻っておらず、まだまだ戻りを試す動きが続きそうです。RSIもストキャスティックスも上昇が続いて上値余地もあり、基準線にいったん上値を押さえられる場面はあるのかもしれませんが、堅調な地合いが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

先週末の反動でほぼ全面高

GSユアサ(6674) 625 △27

 三菱商事(8058)、三菱自動車(7211)と電気自動車向けリチウムイオン電池の生産計画を上方修正すると新聞で報じられ、リチウムイオン電池事業の好調さを裏付けるものと評価されて買われ、大幅高となりました。

ブリヂストン(5108) 1516 △56

 先週末の引け後に2010年12月期連結経常利益が前期比23%増と発表。順調な業績回復に対する期待や米国の景気回復次第では更なる上振れも期待できるとして買われ、大幅高となりました。

住友鉱(5713) 1285 △33

 週末の海外市場で金など非鉄金属価格が上昇、商品市況の上昇傾向が続いているとの見方もあり、堅調となりました。中国や米国での金融引き締めの影響も限定的として買い直されたものと思います。

コロワイド(7616) 551 ▼60

 先週末の引け後に公募増資と第三者割当増資での資金調達を発表、公募増資などで発行済み株式総数が最大26%増えるとされたことで、株式価値の希薄化を嫌気した売りに押されて大幅下落となりました。

NECエレ(6723) 870 ▼16

 ほぼ全面高となる中で反落となりました。特に売られる理由があったわけではないのですが、先週末まで大幅高、特に先週末も大幅高となっていた反動から、一時大幅下落となるなど軟調となりました。

三井不(8801) 1527 △66

 先週末の大幅下落の反動に加え、外資系証券が業績見通しが慎重で上振れが期待されるとして、投資判断を引き上げたことや首都圏中古マンション価格が前月比で3.5%上昇、総じて価格が上昇傾向にあると報じられたことも、買戻しを急ぐ要因となり、大幅高となりました。

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