先週末の過剰反応の反動で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月22日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週末の大幅下落の反動や業績回復を織り込みきらずに売られ過ぎた銘柄の買戻しなどもあり、大幅高となりました。為替も円安に振れる場面が見られるなど「円キャリー取引」の買いなども見られたものと思います。この時期は日本でも期末要因で金利が高止まりするような時期なのですが中国や米国が先んじて「出口戦略」を取る方向に向かったことで、日本円の金利が相対的に低いということになったのでしょう。

 為替が大きく円高になるとか株式市場が大暴落するなどと言う話はだいぶ聞かれなくなりましたが、先週末の大幅下落に対しても比較的冷静な反応となっており、少しはセンチメントの変化も見られるようです。米国市場での冷静な反応を見てからでないと対処できないというところがまだまだ日本市場は「外ばかりを見ている」と言うことなのですが、「外を見る」のであれば、もっとアジアの経済拡大を評価してもいいのではないかと思います。

 一方で国内は個人消費が伸びないところを見ても相変わらず、萎縮している部分が多いと思います。最近は若者の自動車離れなども言われていますが、若いうちから守りに入ってしまっているような気がします。子供手当てなどの政策も良いのですが、もっと若者が安心してお金を使える政策と言うのも必要ではないかと思います。「バブル」が良いことなのか悪いことなのかはわかりませんが、少なくともやる気があって、一生懸命働けば安心して消費が出来る世界と言うのが求められているのではないかと思います。

 もちろん安くものが買えるというのはいいことなのでしょうが、値段云々よりもお金を出しても良いと思われる商品がやサービスが求められているのでしょうし、その求められているものの変化のスピードも速いということでしょう。安心や安全を買うというのも良いのでしょうし、健康を買うということもいいかもしれません。いずれにしても同じ顔をしたサービスや製品と言うことではなく、プラスアルファの付加価値が求められ、そうした付加価値には今の若者もお金を使うのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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