手掛かり材料に乏しい中、手仕舞い売りに押されてじり安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月15日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場は方向感がなく、週明けは休場、中国も「春節」入りで休場となるなど、資金の流れも一服となって方向感のない展開となりました。為替も大きな動きはなく、手掛かり材料難となり積極的な売り買いは手控えられました。値動きの悪さを嫌気して売りがかさむ銘柄もあり、幕間つなぎとして買われる銘柄も長続きはしないことが見透かされて買いはつづかず、物色も広がらず、指数を動かすところまでは行かず、結局最後まで買い気は見られず軟調となりました。

 株主優待を行う会社も多いのですが、株主優待をするよりも配当などを増やした方が良いという意見もあるようです。確かに会社側からすれば「余分な出費」になる可能性もあり、また、株主にしてもその分配当した方が良いという見方もあるかもしれません。「自社製品3000円分」と言うのであれば3000円配当を貰った方が良い、と言うわけです。ただ、本当にその方が株主にとっても会社にとってもメリットがあるのでしょうか?

 「自社製品3000円分」と言う場合では実際には会社側に3000円分のコストがかかっているわけではなく、原価であり、また、自社製品のサンプル配布と考えれば安いもの、ではないかと思われます。また、会社によっては「得意先」の製品などを配るケースもあり、「営業」の観点からのメリットもあるわけです。「得意先」の広告宣伝をしていることにもなるのです。また、割引券などの優待もっ稼働率の増加や売り上げの増加に対しメリットがあるわけで、「配当」よりも効果が大きいケースもあると思われます。

 また、百貨店などのように「1割引」などと言うケースでは来店を促すことにもつながり、逆に株主の立場からしても実際の配当よりも大きくなるケースもあります。年間10万円の買い物をする百貨店で1割引券を使えば1万円の配当を貰ったことと同じ効果があり、配当利回りに換算するとかなり多くなるケースも考えられます。例えば10万円で買える銘柄が1割引の優待券を発行するとしたら、年間に100万円を使う人であれば、株を無料で手に入れたのと同じ効果があることになるのです。(もちろん使用限度額などがあるので、ここまでは行かないと思いますが)「貯金代わり」と考えて、一部の資金をこうした使い方をしてみるのもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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