こうして見てくると、ここまでのところ(3)の「ヒマだからやっていること」があまり出てこないですよね。実は若い時は誰でも(3)が少ないのです。ところが、ある年代から(3)は現れて、そしてどんどん大きくなります。
例えば、若くして結婚して子育てが早く終わってしまった50代主婦だと、↓といった感じです。
(1)やらなくてはならないこと(手抜きな家事)=30%
(2)やりたいこと(通販や韓流ドラマ観賞、近所の噂話)=50%
(3)ヒマだからやっていること(ボランティアでもやる? それともジムでも通おうかしら?)=20%
男性でも中年になって「そろそろ仕事も限界が見えてきた。これ以上頑張ってもな」となると↓のように (3)が出てきます。
(1)やらなくてはならないこと(展望が見えなくても拘束時間は長い仕事)=60%
(2)やりたいこと(酒を飲むくらいかなあ)=20%
(3)ヒマだからやっていること(お金もないし、結局はごろごろ)=20%
若い時は誰しも「やりたいこと」がたくさんあって、時間が足りないのが普通です。でも誰しもどこかの時点で、(1)や(2)より、(3)が大きい時期がやってきます。 よく、「定年後の趣味を作りましょう」という話がありますが、あれは「(3)が生活の100%になったら大変だから(2)を作りましょう!」という話ですよね。
そして、人がこの(3)と向き合い始める時期にはいくつかのパターンがあります。例えば、「定年時、退職時」「子どもの独立時期(専業主婦の場合)」「離婚、親との死別時」など、“やる必要のあること”が急激に減った時です。
この「(3)との遭遇時期」が人より早いと、「他人の人生は充実しているのに、自分の人生は……」と悲しくなったりします。
でも一方で、遭遇時期が人より遅ければいいかというとそうでもなくて、年をとって柔軟性が失われてからいきなり(3)が現れると、対応できずにパニックになる人もいます。定年うつ、老年うつ、子離れできないママなどです。 「(3)しかない人生なら、生きている意味はないのではないか?」という発想になる人までいます。
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