好決算を発表するものも多いが懸念材料も多く冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年02月01日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 決算動向に一喜一憂しながら基調は弱含みとなりました。底堅さも見られたのですが節目を意識した目先筋の買い戻しで底堅かったということで、押し目買い意欲が強いということでもなさそうです。世界的な景気回復も行き過ぎてしまった中国などの新興国や思ったよりも回復が鈍い中で金融不安に対する懸念が根強い欧州に、先行きの見通しが見えない日米と言う図式で、世界的に過剰流動性の見直しとなっているようです。

 東証が新システムになってから1月経ち、特にトラブルもなかったようです。ディーラーやデイトレーダーの中には年明けから苦戦している向きもあるようですが、そろそろ慣れてくるところではないかと思います。かつて「立会い場(今や死語ですが)」があったときなどは注文発注などものんびりとしたもの(今と比べて、と言う意味です)で、混み合っている銘柄などは自分の注文がいつ届いたのかわからないような状況でした。

 今も逆に早すぎていつ届いたのかわからない状況ですが、注文発注は気をつけないと自分が思っていた値段とかけ離れた値段で出来ることも多くなって来るのではないかと思います。決算発表が取引時間中に行われるケースであれば、瞬間的に値が動くので以前よりも値動きの荒いものも多くなっているのではないかと思います。昨年までのように気配値を出すことも少なく、一瞬にして値が付いてしまうことで、思ったよりも行き過ぎることが多くなっているのではないかと思います。

 今までのように「この値段を抜けたら・・・」などと考えていると抜けた途端に一気に上に持っていかれて、自分が注文を出したときは抜けたところから遥か彼方ということもあるのではないかと思います。よほど腕におぼえがないと、機械の注文も多い中で材料が出た瞬間、であればまだしも、ある値段をつけたら、などという売り買いは難しくなっているのかもしれません。ただ、慣れてくればどの程度オーバーシュートしてしまうものなのか、なども感覚的に分かってくるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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