「出口戦略」が取り沙汰されて一時軟調となるも超低金利継続が確認されて底堅い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月07日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10573.68△1.66

<NASDAQ>2301.09▼7.62

<為替:NY終値>92.3-92.36

「出口戦略」が取り沙汰されて一時軟調となるも超低金利継続が確認されて底堅い

 朝方発表された雇用指標が予想より弱かったのですが、原油など商品市況が堅調なことから利益確定売りをこなして底堅い堅調な始まりとなりました。ISM非製造業景況感指数は予想を下回ったものの好不況の判断の分かれ目となる50は超え、堅調な展開となったのですが、FRB(連邦準備理事会)が米国債などの売却を検討していると伝えられたことで、金融緩和の「出口戦略」として取り沙汰されて売られるといった落ち着きのない強弱感の対立する展開となりました。その後、FOMC(公開市場委員会)の議事録が発表になり、超低金利継続が確認され、切り返す場面もあったのですが、結局最後まで右往左往する結果となり、利益確定売りに押される格好でダウ平均は横ばい、ナスダック指数は小幅安となりました。

 超低金利政策が続くということが好感されて底堅い、堅調な展開となっていますが、金融緩和政策がいつまでも続くわけではないということで、「出口戦略」の話題には敏感に反応するようです。ただ、商品市況は金融緩和による過剰流動性の投機的な動きに加え、欧米の大寒波での原油需要の増大や中国など新興国の経済拡大のなかでの非鉄需要の増大など実需の面からの押し上げもあり、商品市況の上昇が景気回復、企業業績の回復に結びつくとして好感されているものと思います。

 個別には商品市況が堅調なことから資源・エネルギー株や素材株などが高く、アルコアは大幅高、ニューモント・マイニングやパブリック・ゴールドなど金鉱株も高く、エクソン・モービルやシェブロンも堅調、小幅高となりました。景気敏感銘柄も堅調なものが多く、ボーイングやフォード・モーターは大幅高、キャタピラーも堅調となりました。ハイテク銘柄は利益確定売りに押されるものが多く、アップルやグーグル、インテル、IBMなど軒並み大幅安とまではいかないのですが、軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円安一服、米国株もまちまちとなりましたが、堅調となりました。ハイテク銘柄などは上げ一服となるものも見られましたが、米国での自動車販売が好調となったことで自動車株が買われ、銀行株などの金融株や海運株などで遅れ感が強い銘柄が買われて指数を下支えする格好となり、堅調となりました。目先的な過熱感も強く上値も重いのですが、基調は強含みとなっているようです。

 米国市場がもたついた展開となりましたが為替が再び円安方向に振れたことで、堅調な地合いが期待されます。ただ、目先的な過熱感が強く、上値も限定的となるかもしれません。出遅れ感が強い銘柄の買い戻しが一巡となるのかどうか、輸出株の上値を買い上がる動きが出るのかどうかが注目されますが、米雇用指標などを見るまでは積極的に買い上がり難いものと思われ、目先的な売り買いが中心となって来るのかもしれません。資源株、非鉄株などは商品市況の上昇を素直に好感する動きは続くものと思います。

 10700円台で引けたことで、今度は下落しても10500円〜600円の下値の節目を確認するような動きとなるものと思います。上値は引き続き10800円水準を抜けるのかどうかというところですが、10800円を抜けても利益確定売りなどが嵩み11000円まで上昇するのはいったん下値を確認してから、次の段階となりそうです。昨年も年末からの上昇が年初、大発会から3日目で高値をつけ、4日目は大幅下落となっており、昨年と同じ様なパターンで、大幅下落とはならないまでも上値の重さを確認して調整となる可能性もありそうです。とりあえず、本日は上値を試す動きにはなりそうですが、上値の重さが気になるところです。

本日の注目点

◇決算・09年3−11月期:セブン&アイHD(3382)、イオン(8267)、ローソン(2651)、パルコ(8251)

◇決算・09年6−11月期:ハニーズ(2792)

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