この手口で、会社を辞めさせられる……配置転換に潜むワナ吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2009年12月18日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

職場でしたたかに生き抜く技術

 この最悪の事態を避けるためにはどうすればいいのだろうか。まずは、上司を始めとした上層部から「辞めさせたい」と思われないようにすることだ。そのためには、一定水準以上の実績(業績)を残すことはもちろんだが、何よりも上司の心象を害しないことだろう。特に上司とその上司(2次考課者)の縦のラインには、十分な注意が必要だ。

 通常、このラインで「あいつを辞めさせる」と合意がなされたうえで、担当役員や人事部に話が持ち込まれる。大体は、役員クラスが了承すると、人事部はその合意内容に大きな異論は唱えないものだ。

 熊沢氏が指摘しているとおり、たとえ優秀な人であっても、上司からあてがわれる仕事により評価を下げられることがある。確かに不得手な仕事をするように命じられれば、実績が上がらないことが多いだろう。つまりは上司こそが、部下の会社員人生をつくるのである。誤解がないように述べておくが、私は上司へのゴマすりを勧めているのではない。「職場で、したたかに生き抜く技術を身に付けなければならない」ことを説いている。

 そのような技術は、新著『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)でまとめさせていただいた。この中で、会社が社員を辞めさせていく方法を24の事例をもとに説明している。配置転換のことも触れているので、よろしければご覧になっていただきたい。

 なお、知識や技術を身に付けておけば、リストラなどされないと思い込んでいる人は11月20日の時事日想をご覧いただきたい。ここでは、20〜30代の人たちが陥りやすい“落とし穴”を書いたつもりだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.