好調な経済指標や信用不安の緩和を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月11日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10405.83△68.78

<NASDAQ>2190.86△7.13

<為替:NY終値>88.18-88.24

好調な経済指標や信用不安の緩和を受けて堅調

 朝方発表された貿易収支で輸出が好調であることを確認、外需主導での景気回復を裏付け、好感されて買い先行となりました。ドバイ政府系企業の子会社が週明けにも債務を完済するとの噂が流れていることも信用不安を緩和、リスクマネーの動きが戻ったことも上昇要因となりました。ただ、クリスマス商戦の動向が気になることや新規失業保険申請件数が予想を上回ったこともあり、上値も限定的となりました。

 英国での金利据え置きが発表される一方でスイスでは利上げが発表されました。欧州もドバイ問題やギリシャやスペインの格下げ問題もありますが欧州でも景気回復が鮮明になっており、米国でもドル安メリットもあって景気が回復していることが確認されました。企業の業績回復から波及する形で、雇用や個人消費でも回復の兆しは見えており、底堅い展開が続くものと思います。クリスマス商戦が好調となり、個人消費の回復が取り沙汰されると今度は出口戦略なども取り上げられてくるのでしょう。今後は個人消費の動向などが注目されそうです。

 個別には輸出が好調ということでキャタピラーやスリーエムが堅調、商品市況が堅調となってアルコアが大幅高となりました。シティグループが公的資金を返済すると報じられて堅調となり連れてJPモルガンチェースなど金融株も高かったのですが、目先的な利益確定売りからバンク・オブ・アメリカは軟調となりました。ハイテク銘柄は貿易収支の改善を好感するように堅調なものが多く、インテルやIBM、HP(ヒューレット・パッカード)、グーグルなど総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高を受けて売り先行となったものの、いったん円安に振れたことや米国株高ということもあり、切り返して堅調となる場面もありました。ただ、後場に入ると売り直されて大幅下落となりました。先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出に絡む動きか、あるいは円キャリー取引解消の動きがあったものと思われますがいずれにしても目先の需給要因での売りと考えられます。

 米国市場が堅調となったことや為替も落ち着きが見られることから、日本市場も堅調となりそうです。昨日の大幅下落も多分にSQ(特別清算指数)算出に絡む動きなど目先の需給要因である可能性が高く、景気底入れ期待が高まれば底堅い堅調な展開となるものと思います。米国市場の回復が外需であることが鮮明になり、日本市場でも新興国を中心とした外需からの景気回復が期待されます。内需拡大という政策が掲げられていますが、特に内需を拡大するような具体策もなく、当面は外需依存とならざるを得ず、引き続き新興国関連銘柄などが注目されることになりそうです。

 日経平均は10000円の節目が上値となってしまったようですが、為替の落ち着きなどを好感して輸出企業から戻りが期待されそうです。SQや週末という要因もありますが、昨日の下落で目先の需給悪化要因は織り込んだものと思われ、10000円の節目を意識しながらも堅調な展開となるものと思います。本日の相場で10000円をしっかりと回復できるようであれば、「10000円割れは買い」ということが認識され、逆に10000円を抜けてこないと「10000円を超えると売り」と印象付けられてしまいそうです。

本日の注目点

◇11月の消費動向調査(内閣府)

◇10月の鋼材の用途別受注統計(日本鉄鋼連盟)

◇イラクで油田開発権をめぐる第2次入札を実施

◇10月のインド鉱工業生産指数

◇決算・2−10月期:丹青社(9743)

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