強弱感入り混じる経済指標のなか、商品市況の上昇を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年11月26日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9441.64△40.06

<NASDAQ>10464.40△30.69

<為替:NY終値>87.34▼1.13

強弱感入り混じる経済指標のなか、商品市況の上昇を受けて堅調

 朝方発表された耐久材受注は自動車の買い替え一巡などもあり予想を下回ったものの、新規失業保険申請件数が予想を下回って雇用の改善が見られたこと、また、個人消費支出(PCE)の増加率も予想を上回ったことから、懸念されていた個人消費や雇用に改善が期待されて底堅い展開となりました。金や原油の先物も投機的な動きもあって堅調となったことやドルが売られたことも、「ドル安メリット」と受け止められて素材株や輸出株=景気敏感株などが買われて堅調となりました。

 ドル安にもかかわらず堅調となりました。ドル安メリットのある景気敏感株なども引き続き買われ、かつ原油や金なども買われ、その中で低金利が続くということで、インフレ懸念が出てきてもおかしくはないところですが、先に低金利継続ありきということで、インフレに対する懸念は少ないようです。個人消費にも改善の兆しが見られることからクリスマス商戦に対する期待も高まり、市場全体のセンチメントの上向きも維持できるということなのでしょう。目先的な過熱感もあるのですが、この日もハイテク銘柄が休日前の手仕舞い売りなどから軟調となっているように、少しずつ調整が出来ており、まだ強含みの展開が続くものと思います。

 個別にはドル安メリットもあることからボーイングやキャタピラーなど景気敏感株が買われ、原油価格や金価格が高いことでアルコアやデュポンといった素材株、シェブロン、エクソン・モービルなどの石油株、ニューモント・マイニングなどの金鉱株が高くなっています。インテルやIBM、HP(ヒューレットパッカード)などのハイテク銘柄は利益確定売りに押されるものが多く、軟調となっています。朝方予想を上回る決算を発表したディア(農業・建設機械)は売り先行で始まったものの、値ごろ感からの買いも入り堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は売られ過ぎの修正もあり、底堅い堅調な展開となりました。「全面高」とは行かず、指数の上げ幅も限定的ではありましたが、取りあえずは底入れ感が出た銘柄なども見られるものと思われます。あくまでもまだ売られ過ぎの修正ということで、手放しでは喜べませんが、持高調整の売りが止まれば底堅さも見られるということなのでしょう。

 米国市場は堅調なのですが為替が円高(というよりはドル安)となったこともあり、上値の重い展開となりそうです。ただ、目先的には売られ過ぎと見られ、底堅さも見られるものと思います。円高となったことで、非鉄株なども買い難い面もあるのかもしれませんが、米ドル以外の通貨ではそれほど円高にはなっておらず、アジア市場などが好調なことから業績の回復が見られるような輸出企業は案外しっかりとした動きとなるのではないかと思います。内需株は景気回復の持続力が問題視されており、積極的には買い難いものと思われます。政策に方向性が出るまでは、円高だからと言って内需株を買い難いのではないかと思います。

 日経平均は底堅さも見られますが引き続き底値を確認する動きとなりそうです。堅調な始まりとなれば底入れ感が出る銘柄も多く、日経平均も節目と見られる9500円を抜けて来るのでしょうが、寄り付きからもたついた展開になると逆に9400円前後での下値を確かめてから戻りを試すような展開になりそうです。TOPIXも引き続き上値の重い展開が続きそうですが830を割り込むようなところで買いが入るのかどうか、840円を超えたところで底入れ確認で追撃買いがはいるのかどうかが注目されます。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(10月30日分)

◇東証1部上場廃止:日本マタイ(8042)、太平洋海運(9123)

◇ジャスダック上場廃止:ジー・トレーディング(3348)

◇米感謝祭(米国内の全市場が休場)

◇豪英BHPビリトン株主総会(豪ブリスベーン)

◇7−9月期のフィリピンGDP

◇7−9月期の台湾GDP

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