原油や金などが高く、決算発表を期待して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月20日 11時32分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10092.19 △96.28

<NASDAQ>2176.32 △ 19.52

<為替:NY終値>90.52-90.58

原油、金などが高く、決算発表の本格化を前に決算期待で堅調

 住宅関連指標は予想を下回ったのですが、特に材料視されることもなく、それ以上に決算に対する期待や原油や金の上昇に見られるようなリスク許容度の上昇もあって堅調となりました。週末に軟調となっていたことの反動やヘッジ売りの買戻しなどもあり、堅調な始まりとなったあとも買戻しなどを交えて堅調、一時大幅高となる場面もありました。経済指標は芳しくない状況が続いており、景気回復を期待する動きも慎重にならざるを得ないはずなのですが、個別企業の決算は好調なものが多く、決算期待から売り込み難いということなのでしょう。

 原油が引き続き堅調となり、インフレ懸念が出てもおかしくはないのですが、個別企業の業績が堅調となる一方で経済指標が芳しくないことで、インフレ懸念をうまく打ち消しているようです。この日も住宅関連の指標が予想を下回ったことに加え、連銀の金融引き締めを示唆しないというコメントなどもあって、債券利回りも低下、商品も債券も株式も楽観的な見方となっています。好調な決算が見られるうちは楽観的な見方が強く、いまのところうまく資金が回転しているということでしょう。後は経済指標が景気回復をしっかりと示すようなものとなるのかどうかが注目されそうです。

 個別には決算発表を控えてキャタピラーが大幅高、同様に決算の発表を控えたテキサスインスツルメンツ(TI)も堅調となり、引け後に発表された決算も足元の業績は芳しくはなかったのですが、業績見通しが予想を上回ったことから買われ、時間外取引で大幅高となっています。アップルも通常取引で堅調となった後、引け後の好決算の発表を受けて時間外取引で大幅高となっています。原油価格の上昇を好感してシェブロンやエクソンモービルはしっかり、インテルやIBMなどハイテク銘柄も堅調なものが目立ちました。投資判断の引き上げのあったアメリカンエクスプレスは高くなりましたが、JPモルガンチェースやバンクオブアメリカは乗り換え売りの対象となって軟調となりました。

本日の相場

 昨日の日本市場は週末の米国市場が軟調となったことなどから売り先行となり、一時大幅安となる場面もありました。ただ、依然として持高調整の売り買いが中心の中で方向感はなく、また、円高一服となったことを好感してハイテク銘柄などが底堅かったことから堅調な場面も見られるなど底堅い展開となりました。終わってみると節目と見られる水準でほとんど動きのない展開となりました。

 米国市場が堅調となって、本来であれば上値追い、戻りを試す展開が期待されますが、決算発表を控えて、また、政策がらみの混乱もあり、上値の重い展開となりそうです。指標や景気動向、為替動向などと関係ないところでの動きが多く、本日もまずは持高調整の売り買いが入っているのかどうかを見極める必要がありそうです。原油や金などが上昇しており、昨日は上値の重くなった非鉄株や商社株なども見直し買いが入るのでしょう。円安も一服となっていることから輸出関連銘柄も上値が重そうで、金融株や不動産株も買い戻し一巡感が出れば上値の重い展開となるものと思います。

 指数自体は引き続き方向感のない展開となりそうです。さすがに米国市場が反発となったことで、強含みではあるのでしょうが、節目と見られる1万200円台半ばをしっかりと抜けるかどうかを試すような動きでしょう。1万200円台半ばを抜けてくると1万500円から600円の節目が目処となるのでしょうが、一気にその水準まで上昇するというよりは取りあえずは10,100円台半ばから1万200円台半ばの水準での底値固めということになるのでしょう。

本日の注目点

◇9月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇4−9月期決算:総合メディカル(4775)

◇9月の米卸売物価指数

◇9月の米住宅着工件数

◇7−9月期決算:米ヤフー、キャタピラー、デュポン、ファイザー、コカ・コーラ、ユナイテッド航空

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