米国株高や円安を好感して買い先行で始まり堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月13日 16時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 連休中の米国市場が堅調、為替も円安となったことから、買い先行となりました。先週に引き続き持高調整と見られる買い戻りや手仕舞い売りが交錯しながらも寄り付きの買いが一巡した後は小動きとなりました。後場に入ってから先物主導で買い直されて一段高となりましたが、相変わらず盛り上がりに欠ける展開の中、指数ばかりが堅調となっていました。さすがに特に買い上がらなければならない材料があるわけでもないので、上値の重さが確認されると手仕舞い売りに押され、上値は限定的となりました。

 相変わらず市場参加者が少ないなかで、決算動向を気にする動きとなって来ました。決算発表シーズンなのですが、本来中長期的な投資としての観点から決算動向などを見なければならないのですが、決算発表そのものが材料視されているような感じです。本来であれば、決算発表の数字を見極め、予想と乖離していた場合には何が違ったのかなどを分析し、将来的に収益がどのような方向に見極めることが必要なはずです。

 それが決算「数字」が予想よりもよかった悪かった、などと一喜一憂するよりも、もう少し「先」を見てもいいのではないかと思います。もちろん、株価に「正解」はなく、結果的に付いた値段が「正解」なのですから、予想よりも悪かろうがよかろうが、決算発表後の株価が「予想」を示すこともあるのかもしれません。ただ、確かに付いた株価が正解としてもいったん間違った方向に振れることもあるわけであり、目先の発表などに飛びつくよりはしっかりと分析して将来の価値に比べて現状の株価が割安か割高を見る方がいいのではないかと思います。

 株価は売られすぎ、買われすぎということも多く、決算の数字として「過去」の数字がはっきりとするところで、修正が行われてもいいものと思います。そして、決算は過去のことであり、その修正が終わったあとは、その発射台からどちらに向かうのかを決算のないようなどから見極めることが大切なのでしょう。単純に利益がどうしたと言うよりはむしろ利益率の方向性や売り上げのトレンドなどを見ていくものいいかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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