米国株高や円安を好感して買い先行で始まり堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月13日 16時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10076.56円 △60.17円
売買高 18億2045万株
日経平均先物 10090円 △80円
売買代金 1兆3248億円
TOPIX 901.40 △3.57
値上がり銘柄 1003銘柄
東証マザーズ指数 443.56 △1.19
値下がり銘柄 552銘柄
日経ジャスダック平均 1216.83円 △4.36円
変わらず 129銘柄
騰落レシオ 77.21% △6.86%

日経平均

米国株高や円安を好感して買い先行で始まり堅調な展開

 3連休中の米国市場が堅調となったことや為替が円安に振れたことから、買い先行となりました。ただ、相変わらず市場参加者が少なく、買い材料にも乏しいことから寄り付きからの買いが一巡した後は上値の重い展開となり、かといって売り急ぐ動きもなく指数は小動きとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、上値を押さえる要因となったものと思われます。先週に引き続き持高調整の売り買いもあり、輸出株が買われ、内需株が売られる格好となり、指数が大きな動きとなることはありませんでした。

 後場に入ると特に材料があったわけではないのですが、先物のまとまった買いなどもあって寄り付きから一段高となり、目先筋の買戻しを急ぐ動きもありました。ただ、買い材料に反応して積極的に買い上がるというよりは買戻しや先物が買われることで、追随するように目先筋の買いが入ると言う状況で利益確定売りもあり、上値は限定的となりました。いったん上値の重さが見られると買い急ぐ動きもなく、為替への反応などもほとんどなく小動きとなりました。結局持高調整の売り買いや目先筋の売り買いが中心で方向感に乏しく、堅調ながらも盛り上がりに欠ける展開が続きました。

 小型銘柄も堅調な展開ではあるのですが、方向感に乏しい感じです。東証マザーズ指数、二部株指数に日経ジャスダック平均と揃って堅調となりましたが、買いが多いと言うよりは売りが少ないという雰囲気でした。先物も後場の寄り付きこそまとまった買いが見られましたが、追随する動きは少なく、方向感を持った売り買いというよりは手仕舞いの売り買いや目先的な小掬い商いが中心となっていました。

 強含みではあるのですが、積極的に買い上がるだけの材料もなく、上値も限定的となりました。半導体関連銘柄や輸出関連株が高く、指数を押し上げていましたが、物色対象が絞り切れず、決算発表の本格化を前に買い切れない感じです。堅調な引けとなりましたが、明日に繋がる雰囲気もなく、相変わらず目先の需給に振り回されて、目先筋は右往左往して、そうでない投資家は様子見気分強い、あるいは動くに動けないという状況ではないかと思います。決算への期待が強くない銘柄が案外、意外な決算となることもあるのではないかと思います。売られすぎ銘柄をもう一度確認してみてもいいのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線に上値を押さえられて小動きとなりました。雲の中での水準を維持したことで、雲の下限がサポートとなるものと思われ、RSIが下げ足りないのですが底堅い展開となるものと思います。ただ、基準線に引き続き上値を押さえられてしまうのでしょうが、基準線を抜けて、ここからもう一段上昇となっても、ストキャスティックスも高値圏になり、遅行線が日々線に上値を押さえられて、一気に高値更新とはいかないものと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲のねじれで上値を押さえられるような格好となりました。日々線もここからは基準線や雲が気になるところであり、RSIやストキャスティックスが上昇しているので、強含みの展開となるのでしょうが、戻りも限定的となりそうです。

円相場

NYダウ

 引き続き下値を探る展開となっています。RSIもストキャスティックスもまだ下値余地はあるのですが、水準は低く、そろそろ反発となって来るものと思われます。移動平均や基準線との乖離もいっこうに縮まらず、売られすぎ感もあり、底堅さが確認されるといったん基準線あたりまでの戻りを試す動きとなって来るのでしょう。

銘柄ピックアップ

先物主導で堅調なものが目立つ

三井物(8031) 1202 △8

 海外市場で原油など商品市況が堅調となったことを受けて資源株として買われ堅調となりました。ラオスでアルミ原料の探査を開始すると新聞で報じられたことが好感された面もあるものと思います。

新日鉄(5401) 353 △16

 中国での鋼材価格上昇などへの思惑から買い先行となりました。外資系証券や国内証券が揃って投資判断や目標株価を引き上げたことから、買戻しも交えてまとまった買いが入り大幅高となりました。

オンワードHD(8016) 582 ▼19

 先週末に2010年2月期の連結最終利益の見通しを発表、個人消費の低迷を受けて、従来予想から下方修正、配当予想も引き下げられたことも嫌気されて見切り売りもかさみ、大幅安となりました。

三菱マ(5711) 264 ±0

 省エネ家電やハイブリッド車のモーター用磁石などに使う希土類(レアアース)を廃家電から回収・再利用する事業を始めると新聞で報じられ、収益拡大を期待した買いが入り堅調となりましたが最後は見切り売りに押されて変わらずとなりました。

ダイキン(6367) 3160 ▼40

 「エコポイント効果」も限定され、ルームエアコンの2009年の出荷台数が5年ぶりに700万台を割り込みそうだと新聞で報じられたことを嫌気して見切り売りがかさみ、軟調となりました。

東エレク(8035) 5770 △60

 先週末の引け後に2009年7−9月期の半導体・フラットパネルの連結受注高(速報値)が4−6月期に比べて94%増加したと発表。半導体製造装置の需要回復期待が高まり買いが先行、先物主導で株価が押し上げられる場面もあり堅調となりました。

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