コラム
» 2009年09月28日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:30歳からの社会復帰――若年失業者をどう救うか (1/2)

理由はどうあれ、日本では30歳前後まで定職に就かないでいると、以後の就職が非常に厳しいものとなります。若年失業者が社会に組み込まれるようにするためにはどうすればいいのでしょうか?

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年4月24日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 中高年の失業者に隠れて長らく問題視されてこなかった“若年失業者”に、最近は注目が集まっています。

ah_situgyou.jpg 年齢階級別完全失業率推移(出典:総務省)

 今までは“稼ぎ手”として重要な層、すなわち妻子を養い、住宅ローンを抱え、親を介護している中高年の失業問題の方が大事であり、“まず最初に対策を打つべき”と認識されていた。しかし、団塊世代の定年も視野に入り、中高年労働者の減少も見えてきたためか、マスコミも政府も、最近は若年失業者に焦点を当て始めていると思います。

 そもそも欧州などで失業問題といえば若年者の失業のことを指します。労組が強いからなのでしょう。「首を切るときは若い人から、もしくは勤務年数の短い人から先に切るべき」という労使合意は米国でも一般的です。

 日本では中高年正社員の解雇が困難なため、新卒採用が押さえられるという形で若年層の失業率が上がっているのだと思います。しかし、既得権益者が新しく社会に出ようとする人の機会を奪っているという点では原因の構造は欧米と同じなのかなと思います。

 さて、中高年の失業は、住宅ローンの破たんや経済的理由の自殺の増加につながるなど“今日食べるお金”の問題なのですが、一方で若年失業者問題は、より長期的なキャリア形成、人的資本形成の問題につながるものと言えます。

 若い頃に定職に就かず、職業訓練が行われないと、事実上一生キャリアが形成できない。そしてそれは結婚、出産の動向にも影響を与え、特定の年代において別の社会階層が作られてしまいます。

 人は若い頃から一度も“報われる経験”を持たないと努力をしなくなる。むしろ社会に敵対するようになり、社会不安を引き起こす原因となるかもしれません。また、中には生活費のために借金することに抵抗感がなくなる(というか、日常的にそうせざるを得ないので慣れてしまう)人も出てきて、貯蓄を通しての社会資本の蓄積も行われなくなるでしょう。

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