コラム
» 2009年09月24日 11時46分 UPDATE

なぜガリガリ君は、イチゴ味が定番化しないのか? (1/2)

年間2億5500万本も売れている氷菓子「ガリガリ君」。定番のソーダ味のほか、コーラ味や南国パイン味などが売れている中、なぜイチゴ味は定番化されていないのか。その理由を考えてみた。

[中村修治,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 今年の夏も大変お世話になった「ガリガリ君」。1本60円「デカい・ウマい・当たりつき」のハイパフォーマンス氷菓子は、年間2億5500万本売れるヒット商品である。ソーダ味、コーラ味、南国パイン味などが売れ続ける中、氷菓子の代表的な味覚「イチゴ味」は、定番化されていない。愛され続けて28年……なぜ、イチゴ味はないのか? 考えてみた。

定番化しない「イチゴ味」

yd_garigari.jpg ガリガリ君(出典:赤城乳業)

 製造&販売元である赤城乳業のWebサイトに、現在紹介されているガリガリ君は、ソーダ味、コーラ味、南国パイン味、グレープフルーツ味、マスカットオブアレキサンドリア味、赤ブドウ味の全6種類。これに、ミルクキャラメル味、チョコチョコチョコチップ味のガリガリ君リッチシリーズの2種類を合わせて、計8種類である。

 ガリガリ君ファンが集まるコミュニケーションサイトにはこれまで、グレープミント味、はちみつレモン味、ヨーグルト味、たねなしスイカ味、パイナップルサワー味、いちごサワー味、みかん味、メロン味、赤ぶどうサワー味、レモンサワー味、マスカット味、いちごスカッシュ味、シトラスミント味、レモネード味、ピーチ味、さくらんぼ味、梨味、温州みかん味、ゴールデンパイン味、オレンジ味、ホワイトサワー味、ホワイトヨーグルト味、ぶどうサワー味、ゴールデンキウイ味、ピーチクーラー味、ゆず味など、歴代のガリガリ君のフレーバー話を見つけることができる。

 オーソドックスな「イチゴ味」を販売したのは、最近では、3年前。赤城乳業が運営している「ガリガリ部」という携帯サイトで、当時の会員5万人に25周年記念で「食べたいガリガリ君フレーバー」を投票。そこでトップになったのが「イチゴ味」だったらしい。

 その後、「ガリガリ部員5万人のみんなが作ったいちご」というフレーズとともに市場で販売したとある。しかし、ソーダ味のように、定番化はしていない。何度チャレンジしても、ガリガリ君の「イチゴ味」は、思っているほど、きっと売れないのだ。なぜか? どうしてか?

 ここで注目すべきはガリガリ君のプロモーションの基準である。それは、「元気で、楽しく、くだらない」らしい。元気で、楽しくだけじゃない……くだらなくていいのだ。「くだらないか」をひたすら自問しているところに、元気で楽しい要素が、自然と生まれてくる。年間3億本に迫ろうとしている「日本の王道たるアイスキャンディー」は、「徹底して覇道を歩くことによって、王道を切りひらいた」のである。

 くだらないことを徹底してやるとエッジがきいてて、楽しいから安価で、口コミが拡がる。

 現に、ケータイサイトで展開しているガリガリ部というファンサイトは、会員7万人を超える日本一の部活動となっている。女子中学生から「ガリガリ君」の中心購買層である30〜40代の男性まで、幅広い人達が、ガリガリ君の世界を共有している。

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