米中関係悪化懸念もあったが、業績回復を織り込み堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月15日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9626.80△21.39

<NASDAQ>2091.78△10.88

<為替:NY終値>90.94-91

米中関係悪化懸念もあったが、業績回復を織り込み堅調

 朝方は好調な業績に反応する動きはあったものの、中国との貿易摩擦問題が浮上、米中関係の悪化懸念から売り先行となりました。それでも先週末からの下落を受けての買戻しや好調な業績を織り込む動き、そして投資判断の引き上げに素直に反応して買戻しなども入り、堅調となりました。さすがに相場全体が大きく浮上するような動きになるには手掛かり難でしたが、景気回復を織り込む格好で堅調となりました。

 中国との問題が生じ、原油価格や金価格も利益確定売りに押される展開となった割りには底堅い堅調な動きで、これまでとは雰囲気が変わっているのかもしれません。昨年の暴落から1年たって、景気回復を織り込む動きとなっており、センチメントもしっかりと好転しているということなのでしょう。「金融相場」から「業績相場」への移行が進んでいるということで、堅調な地合いは続くのでしょうが、金融緩和の「出口論」がとりざたされるところではまだまだ疑心暗鬼になるなど右往左往する場面もありそうです。

 個別には先週末に業績見通しを上方修正したフェデックスがこの日も高く、ドイツテレコムが買収を提案すると報じられたスプリント・ネクステル(携帯電話大手)が大幅高、中国製タイヤへの上乗せ関税が業績にプラスに働くとしてグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーが上昇、投資判断の引き上げのあったモトローラや目標株価が引き上げられたスターバックス、利益見通しの引き上げのあったデルタ航空なども堅調となりました。逆に慎重な投資判断が伝えられたアルコアなどが売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が軟調となったことや円高が進んだことから売り先行となり、いったんは底堅さも見られたものの大幅下落となりました。節目と見られる水準では下げ止まりましたが、買い気には乏しく戻りの鈍い展開となりました。個別の材料にも反応は鈍く、テーマを取り上げて幕間つなぎとなるような動きもなく、持高調整の売りに押されていると言った状況でした。

 米国市場が堅調なことや昨日の大幅下落の反動から堅調な展開が期待されます。為替も1ドル=90円割れ必至とみられたものが切り返しており、円高を嫌気して売られたハイテク銘柄などの輸出関連銘柄には買い戻しも入って来るものと思います。ただ、まだ為替水準は「円高」水準でもあり、戻りも限定されるものと思われ、原油や金の下落も資源株などの上値を押さえてしまいそうです。日銀の金融政策決定会合や大型連休を控えて持高を増やし難いこともあり、材料株が目先筋を中心に幕間つなぎとして物色されるような展開となりそうです。

 昨日も10100円台後半で何とか下げ止まったことから、引き続き10100円台半ばから200円台半ばの水準が「底値圏」と見ておいていいものと思います。「天井圏」とされる10500円水準を抜けるには材料不足であり、昨日の反動は期待されるものの上値も限定的となりそうです。持高調整の売りが出れば昨日同様に10100円台まで売られるのでしょうが、売り急ぐ動きがなければ、10200円台を固めるような動きになるものと思います。

本日の注目点

◇バーナンキFRB議長が講演(ワシントン)

◇8月の米小売売上高

◇8月の米卸売物価指数(PPI)

◇9月のニューヨーク連銀景気指数

◇7月の米企業在庫

◇9月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数

◇6−8月期決算:アドビ・システムズ、ベスト・バイ

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