GDPの下方修正や円高を嫌気し、週末の手仕舞い売りもあって軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月11日 16時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10444.33円 ▼69.34円
売買高 27億8877万株
日経平均先物 10400円 ▼70円
売買代金 2兆1585億円
TOPIX 950.41 ▼8.08
値上がり銘柄 370銘柄
東証マザーズ指数 463.19 △3.47
値下がり銘柄 1218銘柄
日経ジャスダック平均 1250.60円 △2.02円
変わらず 105銘柄
騰落レシオ 91.31% ▼2.70%

日経平均

GDPの下方修正や円高を嫌気し、週末の手仕舞い売りもあって軟調

 米国株が堅調、先物・オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売り買いも大きな偏りはなかったのですが、円高が進んだことや寄り付き前に発表されたGDP(国内総生産)改定値が下方修正となったことなどから、寄り付きのSQにカラム売り買いが一巡した後は売り優勢となりました。週末の手仕舞いの売り買いが交錯する中で外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しと伝えられたことから、手仕舞い売りを急ぐ場面も見られました。それでも、持高調整の買いと見られるまとまった買いも見られて切り返し戻り歩調となる場面もあり、底堅い展開となりました。

 後場に入ると昼の間に若干円高が進んだのですが、中国の経済指標が無難な数字であったとの見方から戻り歩調となる場面もありました。ただ、先物にまとまった売りが出ると一斉に手仕舞い売りやヘッジ売りがかさみ、節目と見られる10400円水準まで売られました。さすがに見切り売りやヘッジ売りが一巡すると底堅さも見られ、持高調整と見られる買いも引き続き入っており、戻りを試す動きとなりました。それでも週末のヘッジ売りや手仕舞い売りがかさんで最後まで戻り切らず軟調な引けとなりました。

 小型銘柄は堅調なものが目立ちました。新規上場銘柄などもあり、主力銘柄からの乗り換えもあって堅調となったものと思われます。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は上値は重いながらも堅調となりました。先物は朝方からまとまった売り買いが散見されましたが、追随する動きも限定的となっており、いったん方向感は出るもののその後は売り買いが交錯するするパターンで方向感には乏しい展開でした。

 結局円高を嫌気したように、GDPの下方修正に反応したように軟調となりましたが、実際には材料に反応するというよりは目先的な需給に振り回されている状況となっています。先物にまとまった買戻しがあれば持高調整の買いが目立ち、ヘッジ売りまとまって出ると指数が下押すというような状況です。来週も底堅い展開となるのでしょうが、同時に円高などを気にして買い上がり難く、まだまだ方向感のない展開が続くのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線や転換線を抜けたもののまだ上値を押さえられるような下支えとなるような格好となりました。遅行線も日々線にサポートされてはいますが、まだまだもみ合いの中の動きということなのでしょう。来週も遅行線が日々線に絡みながらの動きとなるように上値の重い、それでいて底堅い、方向感のない展開となって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 基準線、転換線に上値を押さえられた格好となりました。遅行線が日々線に上値を押さえられてもおり、引き続き上値の重い展開が続くものと思います。RSIの水準がもう少し下がれば反発となって来るのでしょう。

円相場

NYダウ

 引き続き下値を確認するような、節目を割り込んでしまったような格好です。ただ、RSIMおストキャスティックスも底値圏にあり、移動平均線や基準線との乖離も大きく、売られ過ぎのようでもあり、底堅さを確認していったんは戻りを試す動きとなるものと思います。

銘柄ピックアップ

昨日の反動のような形で週末の手仕舞い売りに押されて総じて軟調

電 化 (4061) 397  △18

 後場が始まったところまでは利益確定売りや見切り売りに押されてさえない展開でしたが、13時に業績上方修正と配当予想の引き上げを発表したことが好感されて一転大幅高となりました。その後は週末の手仕舞い売りもあり上げ幅縮小となりましたが、最後は買い直されて大幅高となりました。

荏 原 (6361) 439  △1

 2011年度に中国で原子力発電設備の基幹部品である給水ポンプの生産を始めると新聞で報じられ、好感する買いが入り年初来高値更新となりましたが上値の重い展開となりました。

IHI (7013) 196  △5

 エネルギー・プラントでの赤字計上リスクが減少、ターボチャージャーの回復とジェットエンジンの安定増による中期的な利益拡大が期待出来るとして、外資系証券が投資判断の「買い」を継続、目標株価を引き上げたことから買われ、一時大幅高となるなど終始堅調な動きとなりました。

長谷工 (1808) 94  ▼27

 第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債を発行すると発表し、株主価値の希薄を嫌気した売りに押されて大幅安となりました。外資系証券がこの発表を受けて投資判断と目標株価を引き下げたことも売り急がせる要因となりました。

凸版印 (7911) 883  ▼12

 本日付の新聞で社長のコメントとして2010年3月期にエレクトロニクス部門の営業損益が黒字に転換する可能性が出てきたと報じられましたが、材料視されず手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

トヨタ (7203) 3840  ▼70 、  ホンダ (7267) 2865  ▼60

 米国では雇用の改善や消費の改善も期待されるのですが、大きく円高に振れたことから、対米ドルでの為替の影響が大きい自動車株は収益回復の腰折れ要因として見切り売りがかさみ軟調となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.