大幅下落の反動も市場参加者が限られ上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月28日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10534.14円 △60.17円
売買高 19億2715万株
日経平均先物 10530円 △20円
売買代金 1兆3130億円
TOPIX 969.31 △5.08
値上がり銘柄 863銘柄
東証マザーズ指数 451.73 ▼4.79
値下がり銘柄 663銘柄
日経ジャスダック平均 1253.42円 △6.52円
変わらず 162銘柄
騰落レシオ 106.86% ▼4.19%

日経平均

大幅下落の反動も市場参加者が限られ上値は重い

 米国市場は引き続き堅調、為替も落ち着いていることから、前日の大幅下落の反動もあって買い先行となりました。ただ、総選挙を控えた週末ということや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が相変わらず売り越しと伝えられたことから寄り付きからの買いが一巡となった後は上値も重く、方向感のない展開となりました。昨日は特に理由のない中で手仕舞い売りに押された面もあり、売り急ぐような動きはないのですが、積極的に買い上がるような動きもなく、個別材料で買われるもの以外は医薬品株や電鉄株などディフェンシブ銘柄が総じて堅調となるのですが、指数を押し上げる動きにはなりませんでした。

 後場に入ると中国市場の下落を理由に先物を売り急ぐ動きが見られ、指数を下押す要因となりました。慌てて売らなければならない理由もなさそうですが、目先筋が中心となっているだけに売り急ぐ理由を探してはバタバタと慌てているということのようです。先物の売りはいったん止まり戻りを試す動きとなったのですが、引けを意識する時間帯には先物主導で手仕舞い売りがかさみ再び上げ幅を縮小、軟調となりました。結局最後は買戻しもあって堅調となったのですが、相変わらず目先的な需給に右往左往するばかりの盛り上がりに欠ける相場となりました。

 小型銘柄も個別の材料に振らされてまちまちとなりました。東証マザーズ指数は大幅下落、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は週末の手仕舞いも含めてまとまった売り買いが散見されましたがどちらと言うと売りの方が追随する動きが多く、指数を下押す、上値を押さえる要因となりました。目先筋が中心の相場だけに仕掛け的な売り買いで方向感を出す場面もありました。

 相変わらず方向感のないなかで、目先的な需給に振り回される展開となっています。個別の材料に反応する動きも見られるのですが、その日だけの賞味期限で長続きはせず、材料に一度反応してしまうと後は手掛かり材料難のなか、先物のまとまった売り買いに振り回されるだけと言う感じです。景気回復を織り込む展開ではあると思うのですが、「金融相場」から「業績相場」への移行のタイミングを測りながらあたふたと目先の動きに惑わされているということなのでしょう。来週は経済指標などで景気回復を確認し織り込むような相場となって来るものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 もみ合いとなりました。昨日の値幅の範囲内で「十字足」となり、ちょうど火曜日と同じような感じです。ストキャスティックスは高値圏で何とも落ち着かない動きとなり、RSIは中途半端な位置にあり、どちらも方向感がありません。引き続き下値は転換線、あるいは大きく下押す場面でも転換線がサポートとなり、上値を試す動きが続いていると見てもいいものと思います。

TOPIX

NYダウ

 高値圏でのもみ合いが続いています。ストキャスティックスは高値圏にあり、過熱感が若干あるのですが、RSIは中途半端な位置から戻りを試す動きも見られ、転換線や基準線のサポートを確認するような場面はあるのでしょうが、基調は強含みと見ておいて良いものと思います。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込み、日々線も雲を割り込んでしまいました。ここから急反発とならないと「三役逆転」となっていったん下値を試す動きとなり、その後も調整が長引きそうです。少なくとも日々線が雲に上値を押さえられることになりそうです。スト伽スティクスやRSIも水準は低いのですがいったん下値を試す動きとなりそうです。

銘柄ピックアップ

ディフェンシブ銘柄が堅調

大塚商(4768) 5620 △320

 クラウドコンピューティング事業に参入すると新聞で報じられたことから、収益拡大が期待出来るとして買われ、大幅高となりました。

GSユアサ(6674) 834 ▼9

 リチウムイオン電池の回収・再利用事業に乗り出すと報じられ、将来的に電池のコストダウンや資源の有効活用を評価して買われましたが、地合いの悪さを受けて上値の重い展開となり、最後は手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

カシオ(6952) 919 △72

 NEC(6701)、日立(6501)と携帯電話事業を2010年4月を目処に統合すると報じられ、携帯電話端末のシェア拡大や開発費コスト削減が期待されて買われ大幅高、年初来高値更新となりました。

日新鋼(5407) 196 ▼3

 亜鉛めっき鋼板の価格カルテル事件について、課徴金納付命令を受けた。2010年3月期決算では既に課徴金の引き当てを積んではいるものの、今後の価格交渉への影響などが懸念されて売られ、軟調となりました。

東京電波(6900) 735 △100

 昨日の引け後に村田製作(6981)が同社に焼く0%出資し、水晶振動子を共同開発すると発表したことから、資本増強と業務提携による収益拡大を期待する買いが入り、ストップ高となりました。

アルフレッサHD(2784) 4210 ▼470

 昨日の引け後に新株式発行と株式売出しを発表、株主利益の希薄化を嫌気した売りがかさみ大幅安となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.