大幅下落の反動も市場参加者が限られ上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月28日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調ですが総選挙を控えた月末近くの週末ということで、持ち高調整が中心で盛り上がりに欠ける展開となりました。昨日も特に材料のないなかで大幅下落となったことから反発が期待されましたが、目先筋中心で市場参加者の少ない相場では戻りも限定的となり、手仕舞い売りやヘッジ売りに押されて上値の重い展開となりました。

 中国市場の動向を気にする向きが多くなっています。ただ、上海株式市場が中国の経済動向を刻々と示しているものであれば、注目すべき指標なのでしょうが、上海市場は中国経済の大きな流れは示していても、毎日一喜一憂するようなものではないものと思います。第一に外国人の参加がないこと、また、ファンダメンタルズを示したものではなく、特に毎日の動きは投機を超えて賭博に近いものがあることから、その毎日の動きに付き合うこともないと思います。

 もちろん、大きな流れとしては上昇トレンドなのか、下落トレンドなのか、資金が流入しているのか流出しているのかはいわば中国の個人マネーの流れを示しているものとして注目はされるのでしょうが経済そのものを示すものではないと思います。特に中国は市場経済とは言え、国家権力が強く、経済の流れそのものも景気に左右されるというよりは政治に左右されることが多くいのではないかと思います。だからこそ、今回の世界不況からもいち早く脱却したのであり、経済の規模もここまで一気に大きくなったものと思います。

 我々が置かれている経済と中国経済とは何が違い、何が同じなのか、しっかりと把握し、上海市場の本質もしっかりと見極めた上で動きを気にするのがいいと思います。何でもかんでも「人についていこう」とか何かについていかなければならない投資(投機)ではなく、少し先を見て、経済の状況を把握しながら投資をしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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