利益確定売りに押されるも経済指標の好転を好感し底堅い展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月27日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9543.52△4.23

<NASDAQ>2024.43△0.20

<為替:NY終値>94.2-94.26

利益確定売りに押されるも経済指標の好転を好感し底堅い展開

 朝方発表された耐久財受注は伸び率は予想を上回ったものの、資本財の受注額がマイナスに転じたことから、好材料とはならず、商品価格の下落などもあって利益確定売りに押される始まりとなりました。それでも午前中に発表になった新築住宅販売が予想を上回ったことから住宅市場の底入れ感が強まり、市場全体も堅調となりました。その後は再び利益確定売りにおされながらも底堅い展開が続き、結局ダウ平均、ナスダック指数ともに小幅高となりました。

 経済指標も景気のさらなる悪化を示すような指標はほとんど見られなくなり、景気底入れと言うよりは景気回復を織り込む相場となっています。住宅市場も「サブプライム」だけではなく「プライムローン」を懸念するような動きもありましたが、住宅市場の底入れ感が強まってきたことで杞憂に終わりそうです。住宅市場の底入れから、個人消費などにも底入れ感が強まる可能性もあり、雇用問題や金融緩和の出口論議でかなり後ろ向きの話が出てこない限り、底堅い展開は続くのではないかと思います。

 個別には住宅指標の好転を受けてDRホートン、レナー、ホブナニアンなど住宅関連銘柄が高く、ホームセンターのホームデポなども堅調となりました。民間調査会社が2009年の世界の半導体売り上げ見通しを上方修正したことで、インテルやアドバンストマイクロデバイス(AMD)など半導体関連銘柄も高くなりました。原油価格は結局最後は軟調となったのですが、エクソンモービルやシェブロンは原油価格の先高期待もあり、堅調となりました。投資判断の引き下げのあったバーガーキングが下落、スリーエムやキャタピラー、GE(ゼネラルエレクトリック)など大型株の一角が利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などから堅調な始まりとなり、目先筋の利益確定売りや中国市場などを気にする向きの売りをこなして堅調な展開が続きました。中国市場の懸念も薄れたことで先物に買戻しを急ぐ動きなどもあり指数は年初来高値更新となり昨年9月末の水準を意識するところまで戻りました。景気回復を織り込む展開となっています。

 「鯨幕相場」が続いており、米国市場のもたつきや昨日の大幅高の反動もあり、上値の重い展開となりそうです。それでも、今度は10500円水準の節目を意識するところでは買いも入ってくるものと思います。景気回復を織り込む展開となっていますが、まだ中国の金融緩和解除の問題などを気にする向きもあり、いったん全面高となった後の過熱感もあり、材料含みの銘柄を物色することになるのでしょう。半導体売り上げ見通しの上方修正も伝えられたことで、指数に影響の大きな半導体関連銘柄が買われて指数を下支えする可能性もあり、インフルエンザ関連や電池関連銘柄などが個別に物色されて底堅い堅調な展開が期待されます。

 年初来高値更新となり、懸念された「三山(三尊)天井」とはならなかったようです。今度は10500円水準がしっかりとサポートとなるのかどうかを確かめるような展開になってくるものと思われます。昨年9月末から10月初めにかけてあけた「窓」の水準がちょうど10500円水準から11000円水準であり現状のレベルはいわゆる「真空地帯」となっており、一気に11000円水準まで上昇となるか、10500円の節目でのサポートを確認してから11000円を試すことになるのでしょう。

本日の注目点

◇4−6月の米国内総生産(GDP、改定値)

◇決算・11−7月期:パーク24(4666)

◇決算・1−6月期:仏クレディ・アグリコル、ロレアル

◇決算・5−7月期:米デル

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