米国株高や円安への反応は鈍く、目先的な過熱感が上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月28日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10087.26円 ▼1.40円
売買高 18億1508万株
日経平均先物 10080円
売買代金 1兆2584億円
TOPIX 930.13 △1.87
値上がり銘柄 569銘柄
東証マザーズ指数 451.05 ▼4.83
値下がり銘柄 994銘柄
日経ジャスダック平均 1210.60円 ▼0.42円
変わらず 123銘柄
騰落レシオ 103.72% ▼6.45%

日経平均

米国株高や円安への反応は鈍く、目先的な過熱感が上値の重い展開

 米国市場が堅調なことや円安に振れたことを好感して買い先行となったものの昨日まで9連騰となっていることから、利益確定売りや戻り売りも多く、上値の重い展開となりました。上値の重さが確認されると先物へのまとまった売りもあり軟調となりましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も引き続き買い越しと伝えられたこともあり、底堅い動きとなり、指数は方向感のない展開となりました。

 後場に入ってからも軟調ではあるのですが、底堅い動きとなりました。取引時間中に発表になった決算も予想を上回るものもあり、出遅れ感が強い内需関連銘柄などに買いも入り、ハイテク銘柄など先駆した値がさ銘柄の下落を打ち消し指数は底堅い展開が続きました。最後まで方向感はなかったのですが、目先筋の買戻しなどもあって値を戻し、引け際には小幅高となる場面もあったのですが、結局、最後は小幅安、ほぼ横ばいと底堅い引けとなりました。

 小型銘柄も買い疲れ感もあり軟調となりました。ただ、押し目買いも見られ、東証マザーズこそ大幅下落となりましたが、二部株指数や日経ジャスダック平均は小幅安に止まりました。先物も朝方からまとまった売りが散発的に見られたのですが目先的な売買が中心となっており、下がれば買戻しも入って底堅さも見られました。出遅れ感の強い銘柄に買いが見られ指数が底堅いことから、先物も売り急ぐ動きはほとんどありませんでした。

 先物に振り回される場面もあったのですが、引き続き底堅い堅調な展開となっています。日経平均の10000円台を固める動きとなっており、比較的堅調な決算も相場の下支えとなっているようです。そろそろ買い疲れ感も出てくるものと思われますが、中国など新興国の景気回復に続き、米国での景気回復が見えつつあるところでは全般的に売り叩き難く、売りが手控えられるなかでちょっとした買いに値を飛ばす状況が続けば、ますます買い方の回転が効いて相場を押し上げることになりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値圏で方向感のないもみ合いとなりました。下ヒゲとなったことで、再び「首吊り足」となる可能性もあり、10000円を保てるかどうかが注目されます。RSIには上昇余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、10000円水準での節目、底堅さを確認するような場面もあるのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線にサポートされるように強含みの展開となりました。ただ、いったん遅行線が絡むところの日々線が大きく下落しており、RSIには上昇余地はあるものの、ストキャスティックスが高値圏にあり、日々線が雲のサポートを確認するような調整となる可能性もありそうです。

円相場

NYダウ

 戻りを試すような強含みの展開ですが遅行線が日々線を意識して上値が重くなっています。RSIには上昇余地もあることから強含みの展開は続きそうですが、ストキャスティックスが高値圏にあり、遅行線が日々線に上値を押さえられるような、上値の重い展開がしばらく続きそうです。

銘柄ピックアップ

決算動向に反応しながらも先物主導で主力銘柄が堅調

JFEHD(5411) 3550 △240

 アジアのスポット価格上昇と中国を中心としたアジア諸国での需要拡大を受けて業績見通しは改善したとして、外資系証券が「売り」から「買い」に投資判断を引き上げたことなどから、大幅高となりました。後場に入って決算を発表、今期(2010年3月期)営業利益も予想を大きく上回ったことから一段高となりました。

JR東日本(9020) 5570 △50

 昨日の引け後に2009年4−6月期の決算を発表、芳しくない業績でしたが予想の範囲内と言う見方が強く、割安感が強いことから強気の投資判断を変更しない証券会社が複数見られることなどから見直し買いが入り堅調となりました。

日カーボン(5302) 260 ▼8

 2009年4−6月期の業績が1−3月期に比べて営業利益が84%減、主力製品の落ち込みが響いて売上高も会社予想を下回った模様、と新聞で報じられ、嫌気する売りに押されて一時大幅下落となるなど弱含みの展開となりました。

三井住友(8316) 3990 △150

 6月に実施した公募増資に絡む売りに一巡感が出たことや増益シナリオが期待出来るとして大手証券が投資判断を最上位に引き上げたことを好感し大幅高となりました。

マクセル(6810) 1614 △200

 日立(6501)の完全子会社化の話題で大幅高となりましたが、後場に入ってTOB(公開買い付け)の価格が1株=1740円と発表され、サヤ寄席する格好でストップ高となりました。

日 立(6501) 293 ▼11

 子会社に対するTOB(株式の公開買い付け)を発表、前日の上昇の反動もあって大幅下落となりました。子会社へのTOBでの資金需要が強まることから増資に対する懸念も売り急がせる要因となったものと思います。

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