米国市場が堅調となったことなどから買い先行の始まりとなりました。ただ、さすがに9日連騰となっているだけに目先的な過熱感も否めず、割安感が強い銘柄などは買いも入っているのですが、先駆したハイテク銘柄などは押し目買いが入って底堅さは見られるものの、上値を買い上がる動きにはならず指数も上値の重い展開となりました。結局終わってみると堅調となっており、相変わらず盛り上がりに欠ける展開ながら強含みの展開となっています。
決算動向に左右されながらも衆議院選挙を睨んで「民主党関連銘柄」などが囃されています。民主党が勝つと・・・、などといろいろと取りざたされていますが、いきなり業績が変わるわけでもなく、また「こじつけ」となっているものも多く、深追いは禁物ではないかと思います。目先的な動きに乗っているだけと言う割り切ったものであればいいのですが、本気になって政権が変われば収益も変わると思っていると大きな間違いということになりかねません。
例えば、子供服のチェーン店などが、「子供手当て」関連銘柄として買われたりもしていますが、実際にこうしたチェーン店で子供服を買う人達は子供手当てが出ようが出まいが買うものは買うわけですし、そのお金が入ったからと言って実際に子供服に使うなどと言うのは少ないのではないかと思います。逆に親の服を買うのを控えて子供服を買っている人達も多く、そうした人達は子供のためではなく自分のために使うことが多いのではないかと思います。
「本気」で「民主党関連」と言うことで考えているのではなく、話題として取り上げているだけなのは分かっていますが、そうした話題は長続きはしない、ということを頭に入れておいた方が良いと思います。実際に新型電池などの新技術、あるいは新薬など実際に収益に寄与するものがこれから売り出されるとか、実際にヒット商品を抱えているという企業をもう一度考えてみてもいいのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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