米国株高を受けて買い先行となるも円高を嫌気して上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月16日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 昨日の相場と同様に米国株高を素直に反応しきれない感じです。寄り付きはさすがに大幅高の始まりとなり、前場のうちは値持ちもまだ良かったのですが、前場に9500円と言う節目に突っかけて抜け切れなかったことや午後になって円高に振れたことなどから、見切り売りや戻り売り、失望売りがかさんだものと思います。さすがに大幅高という水準を保ち、前日の終値を下回る場面はありませんでしたが、米国市場や他の市場がしっかりと戻っているなかで日本市場だけが取り残されてしまっているような感じです。

 昨日も原因と結果の話をしましたが、本日の相場でも米国株高の割りにドルが買われない、というような動きも見られ、日本市場では株価の戻りも鈍く、売りが続いているのですが、為替は円安、つまり「日本売り」とはならないという状況でした。株価は上値が重いとは言っても前日比では大幅高、金利も上昇となっているので、何ら問題はなさそうなのですが、何となくすっきりとしない感じです。

 政局の混乱を言う人もいますが、その場合はやはり為替も「日本売り」ということで円安になるのではないかと思われ、何とも読み難い展開になっています。また、ここのところ同じ業種内でも上げ下げまちまちとなることが多く、やはり、持高調整の売り買い、「円キャリー取引の解消」のような動きが出ているのかもしれません。

 こうした「持高調整」となっているケースではその動きが止まるまではちぐはぐな展開が続くもので、ここのところの動きはまさしく今年の1月から3月までの下落相場と同じ様な展開になっているような気がします。外部要因にはあまり影響されることなく、目先的な需給に振り回されているということなのでしょう。ここはじっくりと腰を据えて、業績回復の期待出来る銘柄、PBR(株価純資産倍率)の低い銘柄などに注目してみるのもいいかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.