米国株高を受けて買い先行となるも円高を嫌気して上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月16日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9344.16円 △74.91円
売買高 22億7806万株
日経平均先物 9330円 △40円
売買代金 1兆3897億円
TOPIX 872.25 △5.88
値上がり銘柄 965銘柄
東証マザーズ指数 421.73 △6.62
値下がり銘柄 587銘柄
日経ジャスダック平均 1178.23円 △6.16円
変わらず 146銘柄
騰落レシオ 88.10% △1.43%

日経平均

米国株高を受けて買い先行となるも円高を嫌気して上値も限定的

 米国株が大幅高となったことや為替も円安に振れたことに加え、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も引き続き大幅買い越しと伝えられたことから、買い先行となりました。先物を筆頭に買い気配から始まるものが多く、大幅高の始まりとなり、節目と見られる9500円水準を窺うような始まりでした。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は積極的に買い上がる動きも少なく上値の重い展開となり、かといって売り急ぐ動きもなく方向感なく小動きとなりました。

 後場に入ると、ここのところの「いつもの動き」と言う感じで、上げ幅縮小となりました。昼の時間帯に為替が円高に振れたことや上値の重さを嫌気した売りがかさみ寄り付きは売り先行、前場の引け値を大きく下回った始まりとなり、先物に散発的にまとまった売りが出てその都度指数は下押す展開となりました。それでも円高一服となったことやさすがに9400円を割り込むところからは目先筋の買戻しなども見られ、上げ幅縮小とはなったものの大幅高という水準で小動きとなりました。引けを意識する時間帯には先物へのまとまった売りで一段と上げ幅を縮小する場面もありましたが、さすがに節目と見られる9300円を意識するところでは買戻しも入り堅調な引けとなりました。

 小型銘柄も堅調なものが目立ち、東証マザーズ指数は値動きの良さが好感されて買いが入るという状況で大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調ながらも上値の重い展開となりました。先物もまとまった売り買いは散発的に出るのですが、まとまった売りへの反応が敏感になって指数の上値を押さえる要因となっていました。引け間際にはヘッジ売りや見切り売りがかさんで指数を下押す要因となりました。

 米国での好決算や中国の好調な経済指標への反応も今一つという感じです。反応しきれないというか腰の据わった買いがほとんど見当たらない状況となってしまっているようです。昨日も米国株の好決算に反応し切れなかったように、引き続きまとまった持高調整の売りが続いているのかもしれません。景気動向や個別の業績動向で売られているわけではないだけにいつ戻ってもいいのでしょうが、逆にどこまで売ってくるのか、いつまで売りが続くのか読み難いところもあり、対処が難しくなっています。明日は3連休を控えた週末と言うことで、ますます目先的な需給に振らされる相場となりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の上限や転換線、節目と見られる9500円水準を意識して上値が重く、上ヒゲの長い形となりました。明日も寄り付きが軟調となれば陰線となる可能性が高く、再び雲の下限である9000円の水準を試すことになりそうです。寄り付きから高ければ引き続き9500円という節目から雲の上限である9700円台を窺う展開になりそうです。ストキャスティックスは底値圏からの反発を示唆しているのですが、RSIはまだ下落余地もあり、下値を確認する動きとなっても不思議はありません。

TOPIX

NYダウ

 上値の重い格好となっています。RSIに下げ余地があり、まだ雲の下限である850の水準を試す動きもありそうですが、ストキャスティックスは底値圏からの反発を示唆しており、転換線を抜けて基準線の水準(900の水準)を窺う動きとなる可能性もあります。

円相場

NYダウ

 海外市場ではしっかりと下動き(円安)となったのですが、転換線に上値を押さえられ、節目と見られる1ドル=94円前後が上値となってしまったようです。ただ、まだRSIもストキャスティックスも底値圏からの上昇を示唆しており、目先的には転換線や節目である94円を挟んで底堅さを確認し、基準線(95円台)までの戻りを試す展開なのでしょう。

銘柄ピックアップ

米国株高を受けて堅調だが円高に振れたことから上値も限定的

トヨタ(7203) 3500 △30 、 マツダ(7261) 240 △14

 マツダは2015年にハイブリッド車市場に参入する予定だったが、トヨタからハイブリッドの基幹装置の供給を受け、2013年にもハイブリッド車を発売すると報じられ、好感して買われ堅調となりました。

コマツ(6301) 1419 △38

 6月の米鉱工業生産指数や中国GDP(国内総生産)などが予想を上回ったことから、建機販売の回復が期待されて買われ、大幅高となりました。

キヤノン(7751) 3080 △50

 新聞で4−6月期の連結営業利益が1−3月期の1.5倍に拡大した模様と報じられたこと米国株高、円安を好感して買われ、一時大幅高となりましたがその後円高に振れたことで、上げ幅を縮小しました。

商船三井(9104) 585 △11

 新聞で4−6月期の連結営業損益が50億〜100億円程度の赤字になると報じられましたが、バルチック海運指数が上昇していることや中国GDP(国内総生産)発表を受けて、順調に中国経済が回復していること、米国株高などを受けて堅調となりました。

ブリヂストン(5108) 1562 △85

 外資系証券や国内証券の投資判断引き上げを好感して買われ、大幅高となりました。先送りされて来たタイヤの買い替え需要が出て来たことや自動車販売の底入れから業績回復が期待出来ることが投資判断の引き上げ要因とされているようです。

東 宝(9602) 1551 △13

 昨日の引け後に2009年3〜5月期の連結経常利益が前年同期比16%増と発表、堅調な業績を好感して買われましたが、事前に上方修正が発表されていたことから大きな影響はありませんでした。

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