米国株は大幅下落したが、織り込み済みで底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月03日 16時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となったことから売り先行となりましたが、節目と見られる9700円水準では底堅さも確認され、週末の買戻しもあって戻り歩調で下げ幅を縮小して終わりました。昨日の相場で米国株高にも軟調となっていたことで、米国株安はある程度織り込まれており、買戻しなどもあって底堅い展開となったものと思われます。

 6月のSQ(特別清算指数)算出に絡んで10000円を超えたあと「持高調整の売りに押されている」とこのコラムでも述べて来ましたが、どうやら銀行の保有株売却が「持高調整の売り」の招待であったようです。ヘッジファンドか年金かそうした「ファンド」が6月の決算月ということで手仕舞っているのかと思っていたのですが、銀行が持ち合い株などの売却を進めていたようです。

 そうなると、「6月だから」と言うことで売りが一巡するというよりは日経平均が10000円を超えると売られる、ということになる可能性も高くなって来ます。4−6月期の業績動向などから割安感が強いと判断されれば慌てて売ることもないのでしょうが、業績の回復が思ったほどでない場合などは「今のうちに・・・」と言うことで売りが出てきてしまうかもしれません。

 ただ、いずれにしてもこれで、業績や為替、金利などと関係のないところでまとまった売りが出て来るという理由が分かったので、そうしたまとまった売りがある一定の水準から出て来るような銘柄は、少し注意が必要なのかもしれません。ただ、割安感が強いところでは売ってこないと思われるので、過熱感が出たところで買いつかないということで対処できるかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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